研究課題/領域番号 |
21K17730
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
八巻 隼人 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (20782197)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | トラフィック分割 / 並列処理 / フローサイズ予測 / リンクアグリゲーション / 負荷分散 / インターネットトラフィック |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,インターネット上において分散処理を行う各処理装置に対して,出来る限り正確に指定レートでトラフィックを分割する手法の実現を目指す.提案手法の実現のために,一連の通信(フロー)の先頭パケットからフロー全体のサイズを予測する手法を開発し,予測されたサイズに基づいてトラフィックを分割することを検討する.
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研究実績の概要 |
2023年度は,主にトラフィック分割を用いたアプリケーションについて検討した.これまでの研究により,トラフィックの分割精度については十分な成果が得られており,高精度に分割したトラフィックを用いることで,従来よりも高効率な分散処理が可能となる. アプリケーションの1つとして,ネットワーク侵入検知システム(NIDS: Network Intrusion Detection System)を検討した.NIDSは近年のネットワークセキュリティにおいて重要な装置であり,その性能の低さが課題であった.我々の提案では,指定比率に高精度に分割されたトラフィックを複数のNIDSで効率的に処理するアーキテクチャを提案し,従来よりも高い処理性能を得られることを示した. もう1つのアプリケーションとして,複数経路へのマルチパスルーティングを検討した.マルチパスルーティングは,高帯域化する近年のインターネットやデータセンタネットワークにおいて今後重要となる技術であり,トラフィックの分割精度が総使用帯域に直接影響する.我々の提案では,高精度にトラフィックを分割しつつ,弊害となるパケット受信の順不同を抑制する分割方法を提案し,従来よりもマルチパスでの使用帯域を増加させることに成功した. これらの成果より,我々は今後のネットワークにおいて重要となる並列処理を見据えたトラフィック分割について,従来よりも高い精度でトラフィックを分割できることを示した.更に,アプリケーションとしてNIDS,マルチパスについて,このように高精度に分割されたトラフィックを用いることで従来よりも高効率に並列処理できることを示した.
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