研究課題/領域番号 |
21K17744
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60070:情報セキュリティ関連
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研究機関 | 佐世保工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大浦 龍二 佐世保工業高等専門学校, 基幹教育科, 講師 (30781075)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 電子透かし / リフティングウェーブレット / コンテンツ保護 / 画像認証 / 画像復元 / ロスレス電子透かし / 改ざん検知 / ウェーブレット変換 / 区間演算 / 画像の真正性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、画像編集ツールの普及により、画像構造の編集が極めて容易になった。そのような中、電子透かし法は、デジタルコンテンツの不正利用を防ぎ、万一、不正利用されても、著作権の主張を可能とする手段として、その重要性が増している。 本研究では、ドライブレコーダや防犯カメラ、内視鏡カメラなどで記録されたデジタルコンテンツの証拠能力(真正性)を保証する革新的な電子透かし法の開発に挑む。また、法的にも利用できる程度の高い精度(ほぼ100%)で、ドライブレコーダや防犯カメラへ応用できるだけではなく、高解像度な医用画像に対応すれば、医療情報(内視鏡画像など)におけるデジタルコンテンツの真正性も担保できる。
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研究実績の概要 |
近年、画像編集ツールの普及により、画像構造の編集が極めて容易になった。そのような中、目に見える電子透かし情報によって、認証鍵をもつ使用権の取得者(ライセンシー)だけが、オリジナルコンテンツを利用することができれば、デジタルコンテンツの不正利用を防ぎ、万一、不正利用されても、著作権を主張できる。 本研究の目的は、『デジタルコンテンツに対する悪意のない改ざんに対しては、透かしの頑健性を以て、コンテンツの真正性を主張でき』、『悪意のある改ざんに対しては、透かしの脆さを以て、コンテンツの改ざんの有無と位置を特定できる』新たな電子透かし技術を研究・開発することである。 この目的を達成するため、本年度の計画としては、(4)透かし情報の構造的な変更の有無を判定できる電子透かし法へ改良する。(5)透かし情報を推定し、改ざん位置を特定するという2点を挙げた。 結果として、リフティングスキームと2重ツリー複素数離散ウェーブレット変換を組み合わせた電子透かし技術へ改良した。これにより、当初計画の(4)を達成した。今後は、この成果を基に、透かし情報を推定し、改ざん位置を特定する、区間演算の高速化技法によるリアルタイム処理と、学習型ウェーブレット変換により画像を復元する認証機能を備える、ロスレス電子透かし法の開発に挑む。そのためには、法的にも利用できる程度の高い精度(ほぼ100%)で、ドライブレコーダや防犯カメラへ応用できるかを検証する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の目的は、(4)透かし情報の構造的な変更の有無を判定できる電子透かし法へ改良する。(5)透かし情報を推定し、改ざん位置を特定する、であった。これに対して、リフティングスキームと2重ツリー複素数離散ウェーブレット変換を組み合わせた電子透かし技術を改良した。この成果を基に、ドライブレコーダや防犯カメラなどで記録されたデジタルコンテンツの証拠能力(真正性)を保証するロスレス電子透かし法を開発するという、道筋を作れたが、(5)透かし情報を推定し、改ざん位置を特定する上で、認識精度の向上に予定以上の時間を費やしたため、やや遅れていると自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
開発した電子透かし法を、ドライブレコーダや防犯カメラ、内視鏡画像システムなどに搭載する上で、(1)リアルタイムで実現可能な高速アルゴリズムが求められる。したがって、ウェーブレットによる学習理論であるリフティングスキームにより、計算コストを削減してリアルタイム処理可能な電子透かし法を構築する。(2)電子透かし技術によって原画像の使用を制限するが、認証鍵によりロスレス(オリジナルコンテンツを完全再現できる)電子透かし技術も求められる。よって、深層学習のような多層構造の考え方をリフティングスキームにも取り入れる。さらに研究成果を取りまとめ、査読付き国際会議で発表するととも に、査読付き学術論文誌に投稿するなどして、成果を公表するように努める。
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