研究課題/領域番号 |
21K17754
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60100:計算科学関連
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研究機関 | 香川高等専門学校 |
研究代表者 |
大橋 あすか 香川高等専門学校, 一般教育科(詫間キャンパス), 助教 (50782166)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | テンソル和 / 任意の特異値 / 前処理行列 / CG法 / シフト付き逆Lanczos法 / 前処理行列CG法 / 特異値計算 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,ではテンソル和の 特定の特異値 計算 のための「テンソル空間上のシフト付き逆Lanczos法」に対して,反復で必要なテンソル和に対する線形方程式を解くための「前処理付きCG 法」の前処理行列を提案することである. ここで対象となるテンソル和は,3つの行列に対してテンソル積と行列の和で定義される演算で,l,m,n次正方行列に対するテンソル和はlmn次正方行列に大規模化する行列であるため,テンソル和を生成・保持して特異値計算メモリの観点から困難になりうる . 本研究では,テンソル空間を利用することで,メモリと計算時間における効率化を図ることを考える.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,テンソル和に対する線形方程式を解くための「前処理付きCG法」の前処理行列を提案することである.この線形方程式はテンソル和の任意の特異値計算のための「テンソル空間上のシフト付き逆Lanczos法」の各反復で現れる.テンソル和の行列サイズが大規模であるため,テンソル和を生成・保持して特異値計算することがメモリの観点から困難となる.テンソル和の最大・最小特異値を求めた先行研究では,テンソル和のテンソル積構造を利用して,テンソル(多次元配列)上の演算に変換することで,メモリの効率化・計算時間の高速化を達成した. 本研究では,テンソル和の任意の特異値を計算するために,テンソル和に対する「シフト付き逆Lanczos法」とその各反復で必要なテンソル和に対するシフト行列の線形方程式の解法を考える.単純に適用するとメモリの観点から計算困難であるため,先行研究の成果をもとに,テンソルを活用してメモリの効率化・高速化を図る.また,テンソル和の線形方程式の解法として一般的な前処理付きCG法を適用し,テンソルによる実装可能な前処理付き行列を提案する. 今年度は,前年度にひきつづき,テンソル和が対称行列とは異なる特性をもつ行列を対象に検証を進めた.特異値の値に注目し,特定の値に近い場合に高速化の効果が期待できる前処理行列を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
テンソル和が対称行列とは異なる特性をもつ行列を対象とする前処理行列の効果について、対称行列に類似した行列における前処理行列ほどの効果が確認できていないため、当初の予定よりもやや遅れていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在はテンソル和の特異値が特定の値のときに効果のある前処理行列を検討している.現状,効果の確認が難しいため,異なる特性の行列についても検討を進めたい.
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