研究課題/領域番号 |
21K17755
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60100:計算科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
長谷川 雄太 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (10851016)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | アンサンブルデータ同化 / 格子ボルツマン法 / 局所アンサンブル変換カルマンフィルタ / GPU / データ同化 / LETKF / 都市風況LES |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、建物が密集する都市域における風況・汚染物質拡散の即時予測を行うため、LES(large eddy simulation)に基づく都市風況解析(都市風況LES)のデータ同化手法を開発する。都市風況LESのデータ同化は、格子解像度、地表からの高度、観測の方法など、従来の気象データ同化と大きく異なる点も多い。特に、地表面付近の風速の観測は、計算格子点数に対して観測点数が極めて少ないことが予想され、データ同化にとって致命的となる可能性がある。本研究では、観測が計算に比べて極めて疎である系に対するデータ同化の検証および開発を行い、都市風況LESに対するデータ同化の適用可能性を確かめる。
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研究成果の概要 |
格子ボルツマン法に基づくLESに対するデータ同化の適用可能性を検討するため、高精度なデータ同化手法として局所アンサンブル変換カルマンフィルタ(LETKF)を導入し、実装の高速化、および基礎的な精度検証を行った。 LETKFの実装の高速化として、外部機関との共同研究によりGPU向け固有値ソルバライブラリの新規開発、およびMPI通信の最適化を行い、成果をオープンソースとして公開した。 LESのデータ同化の精度検証として、2次元等方乱流および3次元角柱後方の乱流計算にてデータ同化実験を行った。いずれのケースでも、観測点数が計算格子より数桁少ない疎な観測条件で良好なデータ同化精度が確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アンサンブルデータ同化は、気象庁の天気予報などで既に実用化された技術であるが、都市部の局所風況を対象とした数mの解像度格子への適用は例がない。このような高解像度格子では計算速度が問題となることから、本研究では、気象分野でよく用いられる手法である局所アンサンブル変換カルマンフィルタ(LETKF)をGPUに実装し、および、GPUスパコンで高速に実行できる風況解析手法である格子ボルツマン法に適用した。これらの手法を組み合わせた研究は世界的にも例が無く、実装の高速化およびデータ同化の精度検証など基礎的な物理研究を行うことは、データ同化の乱流分野や風工学分野への展開に資するものとして意義がある。
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