研究課題/領域番号 |
21K17790
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大西 鮎美 神戸大学, 工学研究科, 助教 (10869142)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スマートシューズ / 無電源 / 行動認識 / 路面推定 / ウェアラブルコンピューティング / 環境発電 / 発電 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,シューズやサポータ,杖といった道具に小型の衝撃発電素子を組み込み,発電素子の発電量や動作の瞬間の発電波形の形状から機械学習によってユーザの行動を推定する,低消費電力で高度なコンテキストを推定可能な無電源行動認識システムを構築する.
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研究実績の概要 |
本年度は,振動発電モジュールが搭載された靴を用いて,着地時の衝撃で発電して得られた発電情報に基づき路面種別を推定し,推定結果を収集するシステムを提案した.5名の成人男女のデータを収集し,提案システムの路面種別推定精度を評価した結果,自分自身のデータを学習データに用いて機械学習モデルを構築した場合には バリアフリーマップ作成に必要な7 種類の路面を約64 %の精度で推定できた.さらに,出現頻度は少ないものの,バリアフリーマップとしては重要な路面情報である一段の段差も推定対象に加えた8 種類の路面の推定精度を評価した.その結果,一段の段差の推定精度は10 %であった. 一段の段差以外の路面は,各路面における正解が最も多く推定されていたため,ある程度推定できていたといえる.しかし,一段の段差の F 値は0.13であり,他の路面種別と満遍なく誤推定されていた.一段の段差のF 値を向上させるためには,躓きのような動作をより検出できるモジュールの配置の工夫やアルゴリズムの見直しが必要である. 被験者間5分割交差検証の結果,8 種類の路面種別の推定精度は約30 %であった.被験者内5 分割交差検証の時の結果と比較すると,推定精度は低くなった.これは,被験者によって歩き方が異なるため,着地衝撃が大きく異なるものとなっていることが原因であると考えられる.今回の結果からでは,実生活で提案システムを使用する際にユーザ本人のデータを学習せずとも高精度に路面種別を推定できるとはいえないが,今後より多くの被験者からデータを収集すればユーザ本人と歩き方が似た人のデータを得られ,推定精度を向上させられる可能性がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナにより一部トレッドミルで行う発電情報から圧力推定をする実験を進めにくい状況にあったが,路面推定の研究の評価実験は順調に進められ,さらに一段の段差といった新たなコンテキストの推定の評価もできたため,概ね順調であった.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,これまで評価用に発電モジュールに取り付けていたコイン電池を外し,無電源での路面推定の評価実験を進める.無電源状態ではデータが疎に送信されるため,時間ごとの発電情報の送信頻度を新たな特徴量として,無電源状態で路面を推定するアルゴリズムを開発する.さらに,トレッドミルで行う発電情報から足裏の圧力推定をする実験も進める.
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