研究課題/領域番号 |
21K17844
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 富山大学 (2023) 国立研究開発法人理化学研究所 (2021-2022) |
研究代表者 |
池田 純起 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (30754353)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 個人特性 / 動画 / 推定 / 視覚情報 / 脳活動 |
研究開始時の研究の概要 |
脳科学の目標の一つは、脳活動から人間の個人特性(知能や性格)を精度よく推定可能な方法を確立することである。最近、個人特性を精度よく推定するために、映画などの動画を視聴しているときに計測される脳活動が注目されている。しかし、どのような動画であれば個人特性を精度よく推定可能かについてはよく分かっていない。本研究の目的は、動画を視聴しているときに計測される脳活動から個人特性を推定するための方法を確立すること、および、動画の内容、脳活動と個人特性の推定精度の関係を調査することである。
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研究実績の概要 |
本研究の当初の目的は以下のとおりであった: 目的1)動画視聴時の脳活動データを用いて、個人特性の推定に寄与する視覚情報を特定 目的2)個人特性の推定に寄与する視覚情報間の関係を WordNet を用いて評価し、視覚情報間に共通する性質を解明 目的3)目的1とは別のデータを用いて、研究結果の再現性を確認 前年度(2022年度)の報告書で述べたとおり、目的1を達成するための解析案を新たに準備し、本年度(2023年度)では、その解析案を実施する予定であった。しかし、そもそも、動画を視聴しているときの脳活動については不明な点が多く、個人特性の推定を行う前の段階として、動画視聴時の脳活動に関する基礎的な研究を行う必要があると考えた。具体的には、動画に対する各視聴者の反応の違いが、動画を視聴しているときの脳活動に本当に反映されているのか、まだよく分かっていない。もし、動画に対する視聴者の反応の違いを脳活動で捉えることができるなら、その次の段階として、動画視聴時の脳活動から個人特性を推定する研究に繋がる。そこで、本年度では、動画に対する反応を、感情の観点から視聴者に主観的に評価してもらい、その感情の主観評価と、動画視聴時に計測される脳活動との間に関係性が見出せるかどうか検証することとした。 前述のとおり、当初立てた計画とは異なる、新しい研究計画を本年度から模索しており、現状では、見える形で研究実績を残せていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で述べたとおり、本年度から新たな目的を設定し、計画を進めている。具体的には、脳活動測定装置として、機能的近赤外分光法(fNIRS; functional near-infrared spectroscopy)を用いて、被験者が複数の動画を視聴しているときの脳活動を計測し、かつ、各動画に対する感情的な反応を被験者に主観的に評価させた。実験は現在までに半分以上進んでおり、次年度(2024年度)の第一四半期までには完遂させる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要で述べたとおり、新たな計画のもと、研究を推進していく。当初の計画では、個人特性の推定に寄与する動画内の視覚情報を特定することを目指していたが、これまでのところ、この目的を達成することはできていない。そこで、これまでの研究方針を変更し、動画に対する各視聴者の感情的反応の違いが、動画視聴時の脳活動に本当に反映されているのかどうかを検証することとした。 現在までの進捗状況で述べているように、現在は、動画に対する感情的反応の主観評価と、動画を視聴しているときの脳活動データを取得しており、今後もこの実験を進めていく。データの取得が完了したあとは、動画に対する感情的反応と動画視聴時の脳活動との関係性について調べる。仮に良い結果が得られた場合は、国内外の学会にて成果発表を行い、かつ、国際誌にて論文を発表する予定である。
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