研究課題
若手研究
日本人の死因のトップはがんであり、がんの中でも肺がんは最も多いがんの一つである。従来は病理学的探索からいくつかの組織型に分けられていたが、遺伝子検査が進んだ結果、さまざまな分子標的治療薬が開発され今日に至っている。本研究では、人工知能を含むデータ科学を使って肺がん研究にさらに切り込み、診断・治療法の開発をさらに加速させていく。
肺がんは日本人のがん罹患の第1位であり、さらなる制圧が求められている。本研究においては、肺がんの中の8割以上を占める非小細胞肺がんに対して高度な数理情報科学解析によりその治療応答性因子・予後規定因子を網羅的に同定することに成功した。特に、肺がんに対するがん免疫療法への応答性を治療前に予測できる解釈可能な独自の人工知能を構築した。ベイズ流のアプローチを取り入れ、予測に対する不確実性を盛り込んだことで、今後の研究の土台となるものになるであろう。
がんの中でも肺がんが最も多く、その制圧は急務である。特に、がん免疫療法はおよそ2割の肺がん患者にしか効かないが、治療前に成否を予測することは非常に難しく、効果がなかった場合の高額な治療コストや副作用が社会問題になっている。理想的には、効果がある患者さんを事前に層別化してがん免疫療法を行うのが望ましい。本研究課題はまさにそれを具現化し、治療前の遺伝子発現情報や年齢性別等のプロファイルからがん免疫療法の応答性を予測したという点で学術的のみならず社会的意義が大きい。
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