研究課題/領域番号 |
21K17867
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 松江工業高等専門学校 |
研究代表者 |
藤嶋 教彰 松江工業高等専門学校, 電気情報工学科, 講師 (80757245)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 手形状推定 / 手形状パターン / 深層学習 / 3DCG / カラーグローブ / 学習方法 / 輪郭線 / 屈曲指推定 / 技術伝承 |
研究開始時の研究の概要 |
手形状推定技術に関して本研究では,『手指の輪郭線情報を強調した手画像を教師画像として混ぜて学習させる方法がどの程度,屈曲指の関節角度推定に関する精度向上に貢献するか』という問いに対するアプローチをする。まず,エッジ情報を直接的に強調,または間接的に強調した際の効果と問題を明らかにする,そして両方の強調方法を用いることで,関節角度推定の精度向上を果たす。また,本手法の限界についても明らかにする。
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研究実績の概要 |
Muellerらが提供している手画像データベースに対して輪郭線強調処理を行い、輪郭線強調前と輪郭線強調後で手形状推定の精度変化の様子がどのようになるか、画像の出力結果を基に確認した。その結果、屈曲している指の位置推定精度が向上している様子が観測された。一方で、何らかの問題により輪郭線の強調あり、なしに関わらず手に対して結果にズレが生じている。そのため、手形状のキーポイント座標の真値に対する具体的な差異については確認できていない。元の研究完了年度おいてこの問題が解決できなかったため、研究期間を延長し、次年度にその問題を解決して定量的評価を試みる。 関連研究として、手形状パターンの識別に関する輪郭線強調の場合についても進めた。入力は人間の手を撮影して得た手画像をエッジ検出して得た手のエッジ画像、出力は最も類似する手形状のパターン番号である。先行研究では、エッジ画像と共に屈曲指を含む手指の輪郭線がはっきりしている理想画像を学習時に混合すると、32パターンの手形状において識別精度が混合なしの場合に比べて向上することを報告していた。本年度では、パターン数を63パターンに拡張したうえで、新たに理想画像を3DCGを用いて生成した場合はどうなるかについて確認した結果について学会で報告した。結果として、3DCGを用いて生成した場合においても混合学習による意図的教示の効果は確認されている。人間の手画像で生成した場合に比べると精度低下の傾向がみられるものの、その実験では有意差が確認できていない。よって、3DCGを用いる場合でも意図的教示による効果は生じ、それを確認できると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスが日本国内において大流行した時期に重なった。そのため,新型コロナウイルスに関する様々な対策(授業カリキュラムの変更、出席停止者への対応、コロナ禍に起因する学力低下への対応など)で、研究代表者は申請書時に予期していた以上の業務を期間全体で負うことになった。加えて、研究代表者の生活環境に大きな変化が生じている。ゆえに、当初想定していたよりも本課題へのエフォートが大幅に低下してしまった。また、校内で研究を補助する学生の研究可能期間が短縮されたことが大きい。これらの環境問題が初期から生じたことが遅れの根底にある。 加えて、研究が進まなかった期間において深層学習のソフトウェア環境が大きく変化した。本課題の地盤としているMuellerの手法は開発が終了したcaffeを利用している。そのため、深層学習用の別のソフトウェアやWindowsの更新によるプログラムが動かなくなる問題が複数回起こり、この問題の解決に大量の時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
Muellerらの手法を基にした手形状推定手法による屈曲指の位置推定精度向上実験を行う傍ら、関連テーマとして、これまで成果の出ている手のエッジ情報を入力とする場合の手形状パターン識別精度向上に関する実験を並行して続ける。また、その中間にあたる3DCGの手画像を用いた場合のパターン識別精度向上に関する研究を加え、カラー画像であっても手形状の識別精度が向上することを確実に定量化することを考えている。
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