研究課題/領域番号 |
21K17875
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
干場 康博 東京大学, 大気海洋研究所, 特任助教 (00774093)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 数値海洋モデル開発 / 沿岸域 / 海洋物質循環 / 低次栄養段階生態系 / 土砂懸濁物 / マイクロプラスチック / 数値海洋モデル / 淡水流入 / 非静力学海洋モデル / 低次生態系 / 数値モデル開発 / 河川影響海域 |
研究開始時の研究の概要 |
淡水、土砂懸濁物、栄養塩やマイクロプラスチックが河川を通して海洋へ輸送されている。沿岸域で相互作用するそれらの物質を包括的に考慮し、収支を様々な時空間スケールで評価したい。その第一歩として、新たな河川-海洋-生態系を結合した数値モデルの開発を行う。本モデルは河川影響海域の淡水、土砂懸濁物、低次生態系とマイクロプラスチックまでを複合的に扱い、オイラー型トレーサーとラグランジアン型粒子を組み合わせたハイブリッドモデルである。計算コストを抑えながらも、物質の重要情報(軌跡や他物質との接触回数など)を記録できる。新たなモデルが完成することで、河川起源物質の収支を大まかに見積もることができる土台が整う。
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研究実績の概要 |
沿岸域の淡水、土砂懸濁物、低次栄養段階生態系とマイクロプラスチックまでを複合的に扱う新モデル開発を継続した。前年度に加えて、土砂懸濁物の光遮蔽による植物プランクトン光合成の阻害効果と、生態系の栄養塩要素にリン酸塩を追加した。さらに植物プランクトンの種も追加し、それぞれ河川種と海洋種を想定できるような塩分耐性を持たせることが可能となった。上記変更点を加味したシミュレーション実験を若狭湾の丹後海:由良川影響海域で行った。追加部分は観測データの不足からパフォーマンス評価は困難だが、今後の現実に則したモデル構成要素拡張・対応の可能性を広げるものとなった。 同時に、低次栄養段階生態系部分のオイラートレーサー・ラグランジアン粒子態の複合化についての講演や、他の専門家との議論をさまざまな場所で活発に行った。生態系モデル部分改良の確固としたアイデアが定まり、世界的にも斬新な複合モデル開発のマイルストーンとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モデル開発は、当初本年度に目標として掲げたオイラートレーサーとラグランジアン粒子の複合化完成にまで届かなかった。その理由の一つとして、現在主に使用している東京大学のスーパーコンピューターが、2024年度からGPU搭載ノードを中心としたシステムに移行する予定であり、準備対応が必要となっていることが挙げられる。これまでのCPU主体のコードを、適切にGPU化する必要が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
モデル開発を引き続き継続する。特に本モデル開発の根幹とも言える、低次栄養段階生態系部分のオイラートレーサー・ラグランジアン粒子複合化を達成する。それによって栄養塩の起源判別や、再生産の回数をカウントできるようなシステムを構築する。合わせて日本周辺の河川影響海域を想定したシミュレーションも行う。
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