研究課題/領域番号 |
21K17876
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 東北大学 (2022-2023) 金沢大学 (2021) |
研究代表者 |
玄 大雄 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (50774535)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | エアロゾル / 大気化学反応 / NO2 / 不均一反応 / 多相反応 / 不均一/多相反応 / 大気化学 / 反応速度定数 / イオン強度 |
研究開始時の研究の概要 |
エアロゾルに起因する気候変動および人への健康影響は、化学組成に強く依存するため、その反応速度定数を正確に見積もることが重要である。エアロゾル反応系の特徴である高イオン強度条件下では、その反応速度定数が変化すると予測されている。しかし従来の手法ではエアロゾル反応を直接測定するのは困難であるため、高イオン強度の影響は十分に解明されていない。 本研究では高イオン強度条件下における化学反応を定量的に評価する。申請者が独自に開発してきた単一粒子分光分析法を応用し、イオン強度とエアロゾルの反応速度定数の関係を数式化する。その関係式をモデルへ実装、「高イオン強度の影響」を考慮したエアロゾル反応系を再構築する。
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研究成果の概要 |
本研究では、NO2ガスのエアロゾル相での加水分解反応を反応系を研究対象として研究を進めた。反応生成物である硝酸イオンの生成速度とNO2ガス濃度のプロットから、本反応は一次反応であることがわかった。 本研究を通して、本反応系はエアロゾルの酸性度と反応速度定数の間には強い相関がなく、エアロゾルのイオン強度に強く依存することがわかった。さらに大気化学モデルに実装可能なデータセットにするため、得られた反応速度定数(kI)とイオン強度(I)との定量的な関係の数式化に試み、対数関数を用いて、log10(kI/kI=0)=0.04Iと記述することが出来た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エアロゾルの反応速度定数への高イオン強度の影響は未だ解明されず、従来の研究ではバルク反応領域から得られた速度定数がエアロゾルの反応速度定数として代用されてきた。本研究の成果では、高イオン強度条件の影響に係る実験的検討を行い、エアロゾル相での反応速度定数は、バルク溶液(イオン強度がゼロ)に比べて、何倍もから高いことを示した。この成果は、従来のバルク溶液から得られた反応速度論は大気エアロゾル中で起こる化学反応には適用できないことが示唆され、大気化学研究におけるイオン強度の重要性が高まると考えられる。
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