研究課題/領域番号 |
21K17878
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 近畿大学 (2022) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
河野 七瀬 近畿大学, 理工学部, 講師 (40736766)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | HOxラジカル / エアロゾル / 不均一反応 |
研究開始時の研究の概要 |
大気化学で最も重要な化学種の一つであるHOx(OH, HO2, RO2)ラジカルを対象に,気相から微小液滴粒子であるエアロゾルへの取り込み観測と,エアロゾル内部で引き起こされる化学反応メカニズムの解明を目指し,気相ラジカルと液相ラジカルの同時検出手法の開発を行う。本研究では,まず,HOxラジカルのエアロゾルへの取り込み速度をレーザー分光法を用いて測定する。さらに,HOxラジカルを暴露したエアロゾルをフィルター捕集し,液相OHラジカルを蛍光分光法により検出することで,HOxラジカルと微小液滴粒子との相互作用メカニズムの解明を気相・液相両面から目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では,大気化学で最も重要な化学種の一つであるHOx(OH,HO2,RO2)ラジカルを対象に,気相から微小液滴粒子への取り込み過程と,エアロゾル内部で引き起こる化学反応メカニズムの解明を目指し,気相ラジカルとエアロゾル由来の液相ラジカルの同時検出手法の開発を行うことを目的として実験を行っている。昨年度までに,HOxラジカルの微小液滴への取込過程観測に成功しているため,本年度は,溶液中OHラジカルの検出手法の確立を目指し,実験を行った。溶液中OHラジカルの直接検出は非常に困難であるため,蛍光物質を用いて間接的に検出する手法を用いた。水溶液中にOHラジカルと非常に素早く反応し,OHラジカルとの生成物が紫外線の吸収により蛍光を放出する物質を溶かし,O2の光解離で生成したO3を暴露した。気相中のO3が溶液に溶けると,溶液中の反応により,OHラジカルを生成する。O3暴露した水溶液に308nmの励起光を照射することで,可視領域の発光を分光器で検出することに成功した。さらに,アトマイザーを用いて水溶液から微小液滴を発生させ,微小液滴とO3を反応させる反応管の構築や装置の開発を行った。ガラスのフローセルに微小液滴とO3を流し,粒子からの蛍光をファイバー分光器で検出することを試みたが,蛍光シグナルを検出することは出来なかった。そのため,光電子増倍管等を用いた,より高感度で検出可能な装置の開発に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に着手できなかった溶液中ラジカル検出手法の開発を実施,溶液中の蛍光物質検出装置の構築を行い,さらに,水銀ランプを用いてO3合成を実施し,O3と水溶液との反応により溶液中OHラジカルの生成・検出に成功した。さらに,微小液滴を発生させ,内部でラジカルを生成する装置の構築も実施することが出来た。微小液滴からの直接的な蛍光検出には至らなかったが,検出感度を向上させるための装置開発を進めているため,順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,まず,粒子発生器を用いて微小液滴を発生させ,O3との反応で液滴中にOHラジカルを発生させ,液滴内部の化学反応を用いて蛍光物質を生成する。上記の蛍光物質からの発光を光電子増倍管を用いて検出するための装置開発を行う。そのため,まず,前実験として蛍光物質の標準物質を溶解させた微小液滴を発生させ,その蛍光を検出することを試みる。
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