研究課題/領域番号 |
21K17880
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
劉 佳啓 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 特命助教 (80823898)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 風食 / 飛砂 / 流体力学 / 土壌侵食 / 風洞実験 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、中国では激しい砂塵嵐(ダスト)が深刻な問題となっている。そのため中国政府は、ダストの主要発生源と考えられる内モンゴル自治区において植林による緑化を推進しているが、劣化した土地に緑を造成することは容易ではない。土地の復元のためには、その土地に元々存在する植物の特性を正確に把握し、飛砂抑制に効果的な在来植物を見出すことが重要である。本研究では、有用な植物を選択するための科学的根拠を提示するため、申請者が開発した小型境界層風洞を用いて、飛砂発生地の地表面状態と風の流れを再現し、植物種によって異なる植物体の形状・遮蔽率・柔軟性がダストの抑制にどのように影響するのかを明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
モンゴル半乾燥草原において特許出願中の無指向飛砂量計測装置を用いて飛砂観測を行った。検証結果を踏まえて、任意過酷な環境条件下で容易なメンテナンスを保証するとともに、ノイズが発生せずに飛砂粒子数を高精度に測定できる「可搬式小型飛砂風向計測装置」を開発した。この観測システムにより、飛砂の運動メカニズムを詳細に解明することが可能になる。 黄砂の発生源に生育する草本を想定した模型を対象に、小型境界層風洞及び圧電飛砂計を用い、草本の形状や被覆率が飛砂の防砂効果を評価した。本研究結果は、飛砂や黄砂の抑制に有用な草本を選抜するための科学的根拠を提示する一つのブレークスルーになることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「小型飛砂風向計測装置およびそれを用いた飛砂風向計測システム」を開発することで野外長期観測における飛砂の発生方位と各方位別の飛砂量が同時に測定でき、設置・メンテナンスをしやすい、小型・軽量化を実現できる。また、砂漠化の要因となる植生と土壌の劣化の監視に特化した砂漠化計測システムの一部としての利用ができる。 草本の形状・遮蔽率・柔軟性の違いによる飛砂の抑制効果の評価結果により、飛砂やダストの発生源において有用な草本の選択が可能になり、将来的には、空気力学的に有用な草本を用いた飛砂の発生源対策や家畜の嗜好性も考慮した総合的な土地利用対策(持続可能性も含めて)に対する提言も期待できる。
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