研究課題/領域番号 |
21K17884
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
田中 草太 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (50847217)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ミミズ / 土壌有機炭素 / 糞団粒 / CO2 / 土壌団粒形成 / 炭素・窒素安定同位体分析 / 土壌炭素 / 団粒 |
研究開始時の研究の概要 |
ミミズは、生態系改変者として土壌有機物の分解と土壌物理構造の改変を通して、土壌 有機炭素の分解・貯蔵、ならびに土壌からのCO2放出に影響を及ぼしている。しかし、ミ ミズの活動が土壌CO2放出を促進するのか抑制するのかについては、相反する結果が示さ れており、未だに結論が得られていない。本研究では、「ミミズがCO2放出に与える影響 は、時間経過とともに変化する」という仮説を立て、ミミズが土壌有機炭素に与える影響 を定量的に評価することで仮説を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ミミズの活動が土壌からのCO2放出に与える影響を定量評価するための実験系を構築し、ミミズが土壌有機炭素の分解・貯蔵に与える短期及び長期的影響を評価した。その結果、ミミズは短期的には土壌からのCO2放出を促進させるが、糞団粒の形成により土壌有機炭素の隔離が生じることで、長期的にはCO2放出を抑制させることが示唆された。本研究によって、ミミズが土壌CO2放出に与える影響は、時間経過とともに変化することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミミズの活動が土壌CO2放出を促進させるのか抑制させるのかについては、相反する結果が示されており、結論が得られていない。本研究の結果、ミミズ活動後の土壌では、培養初期にCO2放出を促進するが、培養150日以降にCO2放出が抑制されることが示された。この結果は、ミミズによる土壌有機炭素の分解・貯蔵機構を理解するためには、短期的な評価では不十分であり、長期的な評価が必要であることを示している。土壌有機炭素含有量が多い森林土壌は、気候変動に対する応答性が高いと考えられ、このような土壌を対象にミミズが土壌有機炭素に与える影響を評価することは、地球温暖化の予測や緩和策の検討において重要となる。
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