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反復ばく露を用いた産業化学物質の遺伝毒性スクリーニング及びメカニズム解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K17893
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分63030:化学物質影響関連
研究機関独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所

研究代表者

小林 沙穂  独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 化学物質情報管理研究センター有害性評価研究部, 任期付研究員 (80881060)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2022年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード芳香族アミン類 / 反復ばく露 / 遺伝毒性スクリーンング / MOCA / in vitro 反復ばく露 / 産業化学物質 / 遺伝毒性試験 / DNA修復 / 染色体異常 / 分裂期 / 細胞周期
研究開始時の研究の概要

“単回”ばく露は、細胞に短期間に現れる最大の毒性(例;DNA 損傷性)を捉えるのに最適
である一方、より低濃度で経時的に“反復”ばく露した場合に獲得される一部の影響(例;染色体不安定性)について見逃してしまう可能性が否定できない。そこで本研究では、ヒト培養細胞において反復ばく露を取り入れた産業化学物質の遺伝毒性スクリーニングを実施する。それにより分裂期の異常を契機として生じる染色体不安定性を誘導する産業化学物質を明らかにするだけでなく、反復及び単回ばく露による検出結果に差異があるか否か、さらには、その毒性メカニズムについて遺伝子ノックアウトライブラリーを活用することで明らかにする。

研究実績の概要

化学工場などにおける産業化学物質の“反復”ばく露が発がん等の疾病と関係していることに着目して研究を進めてきた。
in vitroにおいて、職業性の膀胱がんと関連する芳香族アミン類 MOCAを反復ばく露した場合、単回ばく露と比べ、EKR等の発がんシグナル がより低濃度で活性化することを見出した (小林沙穂 et al., 労働安全衛生研究 in press)。
また、MOCAの毒性メカニズムについても解析を行った。国際がん研究機関IARCでグループ1(ヒトに発がん性あり)であるMOCAはDNA損傷性を有することが知られ、そのことが発がんの引き金となっていると考えられている。予想通りパルスフィールド電気泳動法では明らかなDNA損傷性を検出することができた。しかしながら、より感度の高いDNA損傷マーカー; gH2AX抗体を用いた方法では、MOCAの損傷性が検出されにくいことを見出し、 それにはH2AX mRNAの低下が関与していることをRNAシークエンスにより明らかにした(Kobayashi and Kashiwagi, 2023 Fundam. Toxicol. Sci. in press)。このようなケースは稀と考えられる一方、遺伝毒性スクリーニングにおいて偽陰性となる可能性があるため、“複数”の検出法を組み合わせて毒性スクリーニングを行う必要があると言う重要な教訓も得られた。
最後に、MOCAがDNA損傷性だけでなく、染色体異常を引き起こすことを見出し、その知見については、その詳細については国際誌に投稿すべく最終準備段階である。このように、MOCAの様々な毒性実験を通して、新規毒性メカニズムを見出すことができた。

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 産業化学物質の<i>in</i> <i>vitro </i>反復ばく露毒性試験法構築に向けた試み-職業性膀胱がん関連物質MOCAを例とした単回ばく露との比較検討-2023

    • 著者名/発表者名
      小林 沙穂、柏木 裕呂樹、豊岡 達士
    • 雑誌名

      労働安全衛生研究

      巻: 16 号: 1 ページ: 65-70

    • DOI

      10.2486/josh.JOSH-2022-0019-CHO

    • ISSN
      1882-6822, 1883-678X
    • 年月日
      2023-02-28
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] DNA damage mediated by 4,4&apos;-methylenebis(2-chloroaniline) cannot be detected via the DNA damage marker γH2AX: A case study2023

    • 著者名/発表者名
      Saho Kobayashi, Hiroki Kashiwagi
    • 雑誌名

      Fundamental Toxicological Sciences

      巻: 10 号: 1 ページ: 21-25

    • DOI

      10.2131/fts.10.21

    • ISSN
      2189-115X
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 芳香族アミン類MOCAのニワトリ細胞DT40ノックアウト細胞群を用いたDNA修復経路の探索2021

    • 著者名/発表者名
      小林沙穂
    • 学会等名
      第44分子生物学会学会年会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 芳香族アミン類MOCAのニワトリ細胞DT40ノックアウト細胞群を用いたDNA修復経路の探索2021

    • 著者名/発表者名
      小林沙穂
    • 学会等名
      第94回日本産業衛生学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2023-12-25  

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