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イオン液体/DMSO溶液はなぜセルロース溶解度に偶奇性を示すのか

研究課題

研究課題/領域番号 21K17910
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
研究機関創価大学

研究代表者

金子 和義  創価大学, 理工学部, 助教 (50876703)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワードイオン液体 / セルロース / 分子動力学シミュレーション / NMR / アルキル鎖 / MDシミュレーション / 偶奇性 / DMSO / 溶液構造 / 溶液化学
研究開始時の研究の概要

豊富な資源量や生分解性を持つセルロースは持続可能な社会の足掛かりとして注目を集めている。近年、リサイクル可能なイオン液体がセルロースを室温で溶解させることが報告された。純粋なイオン液体のセルロース溶解度はイオン液体のアルキル鎖が増加するとともに直線的に低下するのに対してDMSO混合液では大きく上昇し、偶奇性を示すことがわかっている。二成分混合液溶液にすることで偶奇性を示す例はこれまで報告されていない。溶液構造自体が偶奇によって異なる可能性が高く溶液化学的に見て非常に興味深い。そこで本研究ではイオン液体/DMSO混合液の溶液構造を詳細に調べ、溶解度の偶奇性が起きるメカニズムの解明を試みる。

研究成果の概要

本研究はイオン液体/DMSO溶液のセルロース溶解度の偶奇性の要因を調べることを目的とした。[C2MIm][OAc]/DMSO/セルロース溶液の物性を測定したところ、セルロースはアニオンと強く相互作用した分イミダゾリウム環とアニオン間の相互作用が弱まることでイオンペアの解離度が増加した。また、[CnMIm][OAc] (n=2-7)/DMSO溶液にセルロース1分子入れたMD計算を行った。結果として、カチオン-アニオン間、カチオン-DMSO間、アニオン-DMSO間の動径分布関数はセルロースの有無で差はなかった。従って、偶奇性発現にセルロース-セルロース間の相互作用が重要であることが示唆された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

固体や液晶等の規則性のある物質であればアルキル鎖長の偶奇によって分子配列が異なり偶奇性が表れることは知られている。ところが、イオン液体/DMSO溶液は構造規則性の低い液体であるにもかかわらずセルロース溶解度に偶奇性が現れている。このような液体状態で偶奇性を示す例は少なく詳細に調べた研究はあまり報告されていないのが現状である。本研究の結果から、偶奇性の発現にはイオン液体/DMSO/セルロース溶液中のセルロース-セルロース間の相互作用が重要であることが示唆されたため、偶奇性解明に向けて進んだと考えられる。また、より効果的にセルロースを溶解可能なイオン液体の設計の一助となることが期待される。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-01-30  

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