研究課題/領域番号 |
21K17924
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 玉川大学 (2022-2023) 東京大学 (2021) |
研究代表者 |
寺田 佐恵子 玉川大学, リベラルアーツ学部, 講師 (20802292)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 獣害対策 / アフリカゾウ / 野生動物管理 / 地域開発 / 保護区 / タンザニア / ガボン / 社会実装 / 獣害 / 象牙取引 / 鳥獣管理 / 大型哺乳類 / 技術普及 / ガバナンス / クマ |
研究開始時の研究の概要 |
現在、アフリカゾウによる農作物被害や人の殺傷がアフリカ各地で大きな問題となっており、同時に日本ではクマ類による人身被害が多発している。これらは、保全の象徴種として人気を有する大型哺乳類が人命に関わる獣害を招き、各地で限られた人員・予算で種の保全と獣害緩和を進めなければならないという点で共通している。本研究では、アフリカゾウと日本のクマ類を主な対象として、日本とアフリカ複数国における大型哺乳類の管理システムについて、法制度・導入技術・社会実装における現状と課題を明らかにし、相互に学ぶことが可能な点を提示し、野生動物との共存リスクを含めた持続可能な社会生態システムの構築のための知見の提供を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、タンザニア北部のカラトゥ県でアフリカゾウの獣害対策の実施状況の調査を開始した。調査地は、残る研究期間と予算を鑑み、昨年度の予備調査で訪れた2か所のうち、主要都市からのアクセスが容易で、現地NGOなど現場に詳しい協力者との信頼関係が構築できているカラトゥ県を選定した。カラトゥ県では、県の野生動物管理担当官の協力のもと、ゾウによる被害への対策を行っている保護区に隣接した地域(ンゴロンゴロ自然保護区周辺及びマニャラ湖国立公園周辺)を訪れ、被害対策の内容を調べた。その結果、同じ県内の保護区との境界であっても、頑健な電気柵が設置されている場所、簡易な電気柵が設置されている場所、養蜂箱が試行的に設置されている場所、特段の柵がない場所など被害対策の実施状況にはばらつきがあることがわかった。その要因として、土地の利用目的や利用形態により、ステークホルダーが異なり、被害対策にかけられる資金や労力、また対策へのモチベーションに差が生じていることが仮説として考えられる。また、ガボンでのゾウによる獣害について、ムカラバ・ドウドウ国立公園周辺地域におけるゾウによる獣害と住民の認識について国際シンポジウムで発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度までの新型コロナ感染症による渡航制限や国内での移動制限による現地調査の遅れを巻き返すことができなかった。特にアフリカでの調査を進められたものの、国内のクマ管理についての調査を進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
アフリカゾウについては、タンザニアでの被害対策及び野生動物管理の実態を明らかにするための現地調査に焦点を置き、ガボンについてはこれまでの現地経験と現地研究者からの情報を基に管理体制の変遷などについて論じる。日本のクマ管理については、兵庫県や近畿地方に焦点を当て、研究者・自治体・NGO等の被害対策の役割分担や、その成果・課題などの整理を試みる。以上を基に、これらの場所でのアフリカゾウとクマの被害対策及びそれらを含む野生動物管理状況を比較し、相互に学び合うことが可能な点を検討する。
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