研究課題/領域番号 |
21K17925
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 松山大学 (2022-2023) 信州大学 (2021) |
研究代表者 |
新井 雄喜 松山大学, 人文学部, 准教授 (90866873)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 湿地 / ワイズユース / ネイチャーポジティブ経済 / ステークホルダー / 協働 / コンフリクト / 賢明な利用 / 生物多様性保全 / ガバナンス / 住民参加 / 生態系保全 / 経済的価値 |
研究開始時の研究の概要 |
湿地は生物多様性の宝庫であるだけでなく、人々に水や食料、観光資源等といった様々な経済的恩恵をもたらす。しかし、湿地の多くはその機能が十分に理解・活用されないまま、急速に消失してきた。湿地生態系を保全し、その持続可能な経済的活用を実現するには、多様な利害関係者との「協働」を効果的に進める必要がある。本研究では、湿地の保全と経済的活用における優良事例と非優良事例との比較分析を通じて、湿地の保全と経済的活用の両立を図る上での協働の促進要因及び阻害要因を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、湿地の保全と経済的活用における具体的事例の比較分析を通じて、湿地の保全と経済的活用の両立を促す協働の促進要因・阻害要因を明らかにすることを目的としている。近年、Nature-based Solutions(NBS)やNature Positive Economy(NPE)が世界的な注目を集めているが、本研究はそれらの効果的な実践にも寄与するものである。 まず、湿地の保全と経済的活用におけるステークホルダーの参加や協働、利害対立の解消等といった観点で行われた国内外の事例研究及びNBS、NPEに関する先行研究のレビューを実施し、それらに基づいて、独自の学術的分析枠組みの構築を行った。そして、また、環境省のラムサール条約国別報告書や"Information Sheet on Ramsar Wetlands(RIS)"などの報告書、各ラムサール条約登録湿地の管理を担当する自治体や、保全活動などを実施しているNGO・NPOなどが公開している報告書、研究協力機関である日本国際湿地保全連合(Wetlands International Japan)、ラムサールセンター等の関係者からのヒアリング、現地調査等を通じて得た情報・データなどを用いて、全国のラムサール条約登録湿地の中から、湿地保全と経済的活用の両立、NPEという観点で、研究対象事例の選定を行った。 現地調査については、新型コロナウィルス感染拡大等の影響を受け遅延していたが、最近調査を再開しており、これまでに荒尾干潟、肥前鹿島干潟、渡良瀬遊水地などを訪問した。また今後、志津川湾、大山上池・下池などで調査を行う予定である。湿地におけるNPEの促進・阻害要因や阻害要因への対応策に関する研究はまだ十分に行われていないが、インタビューを通じて得られたデータの分析を通じて、それらが徐々に明らかになってきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、ラムサール条約登録湿地での現地調査、関係者へのインタビュー調査などに遅延が生じているため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響が緩和されてきた状況を踏まえ、現地調査、関係者への対面式のインタビュー調査を更に進めていく。また、それらを通じて得られたデータの文字起こし、コーディング等を行うと共に、構築した分析枠組みに沿った質的データの分析を進めていく。そして、今年度内に開催される予定の学会や国際シンポジウム等において、研究成果を発表できるよう、準備を進める。
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