研究課題/領域番号 |
21K17949
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 沖縄国際大学 |
研究代表者 |
月野 楓子 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (70844710)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 沖縄移民 / 移民 / 日系社会 / 祖国復帰 / アルゼンチン / 沖縄 / 移民社会 / 復帰運動 / 日本人移民 / 社会運動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、アルゼンチンの沖縄移民社会にみられた「祖国復帰」をめぐる運動について、その実態をつかむとともに、移民社会間のネットワークや協働関係、沖縄への意識のありようについて明らかにするものである。 第二次世界大戦後に日本と切り離され米軍占領下に置かれた沖縄では、「祖国復帰」すなわち日本への帰属を求める運動が展開された。こうした運動は、戦前に海外へ移民し、戦後も移民先国に滞在していた者、戦後新たに海外へ渡航した在外の沖縄移民らによって行われたが、アルゼンチンでの復帰運動については未だ十分に明らかにされていない。本研究では、史資料の分析及び関係者への聞き取りを通して、同運動について明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、第二次世界大戦後初期のアルゼンチンにおける沖縄移民社会にみられた沖縄の本土返還(いわゆる「祖国復帰」)をめぐる運動について、史資料及び聞き取りを通して明らかにするものである。研究課題の三年目にあたる2023年度は、初年度と同様にあらたな刊行資料の収集とこれまでに収集した資料の整理を行った。また、新型コロナウィルスの感染拡大状況が落ち着いたことで現地調査へ出かける機会が増加した。 資料の収集は国立国会図書館において調査対象時期の新聞を中心に行った。未だ不十分ではあるが、前年度と比較すると多くの一次史料を収集できたことは今後の研究の基盤となる。また、移民の資料を保存・保管している個人資料館を訪問し、地域社会において移民の歴史をいかに捉えようとしているかという点について示唆を得たこと、他県における移民の送出と現在の紐帯を確認する県人会世界大会に参加したことも、本研究課題への理解を深めることにつながった。加えて、海外へ渡航した人々のみならず、国内移民(出稼ぎ)として出来上がったコミュニティにおいて聞き取りができたことは、故郷から離れたところで人々が「復帰」にどのように向き合うかという点について異なる角度から捉える機会となった。 海外調査については、新型コロナウィルス感染症の影響によって高齢者と面会することの困難からアルゼンチンでの調査は控えざるを得なかった。一方で、来沖したアルゼンチン沖縄県人会の理事との面会が叶い、調査先の人々の現在についての聞き取りを短い時間ではあったが実施することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画通りの進捗状況である。新型コロナウィルス感染拡大による行動制限が続いていた時期があったこと、現地調査で面会するのは高齢者が多いため渡航を控えていたことから、アルゼンチンでの調査が実施できなかった影響は少なくない。一方で、国内の資料の収集や関連地域での調査をすることができたのは大きな前進であることから概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度が本研究課題の最終年度にあたるため、南米での調査を実施し、資料収集を更に積極的に行う予定である。また、国内外において調査対象者に負担のかからない範囲での聞き取りを実施したい。とりわけ南米での現地調査は加速化する高齢化と相まって欠かすことのできない作業であるため、是非とも推進したいと考えている。課題の最終年度であるため、研究成果については今年度中に論文としてまとめる予定である。
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