研究課題/領域番号 |
21K17953
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
滕 媛媛 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教 (40793716)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 失地農民 / 社会経済的状況 / 空間的統合 / 社会関係 / 第二世代 / 中国 / 都市化 / 居住 / 社会的統合 / 都市開発 / 格差 / 社会移動 |
研究開始時の研究の概要 |
中国では、近年、都市化の進行が著しい。これらの新都市住民の多くは、人的資本の限られた元農民である。 本研究は、中国における都市開発で土地を失い都市に再定住させられた元農民(失地農民)およびその第二世代の社会経済的統合状況と、それに影響を与える要因を解明する。具体的には、2000年に開発されはじめた南昌市の新市区を研究対象地域とし、質問紙調査とインタビュー調査を用いて、①失地農民第一世代の社会的経済統合状況とその影響要因、②失地農民第二世代の教育達成および初期の職業的地位の状況とその影響要因、③失地農民世帯と従来の都市住民世帯間における格差の状況とその影響要因を明確にする。
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研究実績の概要 |
本研究は、中国南昌市の新市区を研究対象地域とし、質問紙調査とインタビュー調査を用いて、都市開発で土地を失い都市に再定住させられた元農民(失地農民)およびその第二世代の社会経済的状況と、それに影響を与える要因を明らかにすることを目的とする。 調査・分析の結果、約半数の失地農民は肉体労働や自営業などに従事しており、従来の都市住民との間には、依然として大きな社会経済的格差が存在していることがわかった。また、失地農民の社会経済的状況の影響要因の解明において、主に失地農民の社会関係の役割に着目した。失地農民は再定住団地に集住することで、昔からの濃密な近隣関係を保っていた。再定住団地で継続・再形成された失地農民同士のつながりは、その世帯所得に正の影響を及ぼしているが、失地農民個人の所得や就労状況との関連性は確認されなかった。すなわち、失地農民同士のつながりは維持されたが、失地農民世帯の社会経済的状況の向上に与える効果は限定的であると考えられる。一方で、失地農民と近隣以外の住民とのつながりは、その個人所得と就労状況との間に正の関連性が確認された。失地農民の経済的状況を向上させるため、近隣以外の住民とのつながりを拡大させる重要性を指摘できる。 また、失地農民第二世代に関しては、その社会経済的状況と居住状況および両者の関連性について分析した。失地農民第二世代の教育状況や就業率は向上したが、就業の質や所得水準における改善は比較的小さかったことが分かった。また、失地農民第二世代の居住状況(再定住団地から一般住宅団地への転居)は、その社会経済的状況との関連性が確認された。失地農民世帯における社会経済的状況の向上の遅れが、その居住地移動(空間的統合)を妨げる可能性があるため、失地農民世帯の就業や居住モビリティに対する長期的なサポートが求められる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1年目は、現地調査の準備、質問紙調査と聞き取り調査の実施、収集したデータの入力とクリーニングを行うことができた。研究2年目は、主に1年目に実施した質問紙調査のデータを用いて、設定していた研究課題を分析し、その結果について学会報告と論文執筆を行ってきた。予定していた分析の順番が若干前後したが、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究3年目(令和5年度)は、引き続き1年目に実施した質問紙調査のデータを用いて、失地農民世帯の長期的な社会経済的状況の変化の規定要因の解明を進める。また、現地調査を実施し、失地農民世帯と従来の都市住民世帯間における社会経済的格差の状況とその影響要因を明確にする。さらに、分析結果を整理し、学会報告や論文作成を行う予定である。
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