研究課題/領域番号 |
21K17962
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
上田 萌子 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (10549736)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 路傍樹 / 大阪市 / 台湾 / 大樹公 / インドネシア / 生育状況 / 保存樹 / 樹木信仰 / 多面的役割 |
研究開始時の研究の概要 |
アジアには共通して、森や巨木・老木を祀る樹木信仰の場が存在し、地域社会の歴史・文化・交流の拠点として、各地固有の形態で発展してきたが、日本国内では今後の継承が危ぶまれている状況にある。本研究では、日本とは存続状況が異なり、活発に利用されている海外の事例(台湾・インドネシア)に着目し、樹木信仰の場の活用状況を社会的・環境的・経済的な役割から把握し、存続要因、樹木信仰の場に対する地域住民の基本的認識、持続的な地域社会の形成に対する地域住民の評価を明らかにする。これらの結果を3国間で比較し、日本での持続的な地域社会に資する樹木信仰の場のマネジメント手法を探る。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、日本・台湾・インドネシアを対象に、アジアの共通文化である樹木信仰の場の存続要因を、管理運営の仕組み、空間整備状況、公的支援の状況といった点から調査し比較することで、持続的な地域社会に資する樹木信仰の場の今後のマネジメント手法を明らかにすることを目的としている。 2023年度は、2021年度に実施した「大阪市における路傍樹の存続状況からみた保全の課題」についての調査研究の成果を日本造園学会誌ランドスケープ研究に論文として公表した。路傍樹とは、区画整理により、寺社や民家の敷地から道路上にはみ出して位置するようになった樹木のことで、残されてきた理由には、地域住民の信仰対象になってきた背景がある。論文では、20年前の先行研究で明らかにされた大阪市内の23ヶ所の路傍樹の残存状況、利用・管理状況、生育状況に加え、単独の樹木を保全する公的制度である「保存樹」制度の路傍樹への適用の可否についてまとめた。 また、台湾およびインドネシアで現地の研究者と協力して樹木信仰の場に関するフィールド調査を実施した。台湾の台中市では、信仰対象の樹木である大樹公を保全するための公園整備が地域住民と市の協同によりなされた事例の経緯を調査した。インドネシアでは、ジョグジャカルタとバリ島で信仰対象となっている樹木について、土地所有者(個人・地域コミュニティ・行政)、日常管理の実施者(個人・地域コミュニティ・行政)、敷地内の日常利用(参拝、休憩、遊び、観光など)、祭事の内容などを調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度はコロナ禍における移動制限が解除され、台湾およびインドネシアにおけるフィールド調査を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に実施した台湾での調査の成果を公表するとともに、インドネシアにおける現地での補足調査を実施し、その成果をまとめる予定である。
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