研究課題/領域番号 |
21K17964
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 新潟県立大学 |
研究代表者 |
Gorshkov Victor 新潟県立大学, 国際経済学部, 准教授 (10742322)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ロシア / キャッシュレス・エコノミー / デジタル・エコノミー / デジタル・ルーブル / キャッシュレス化比率 / 国家主導経済システム / キャッシュレス化 / キャッシュレス比率 / キャッシュレ化比率 / 新興国 / デジタル化 / デジタル通貨 / 国内決済システム / 即時決済システム / 国家主導のキャッシュレスエコノミー / Russia / Cashless Economy |
研究開始時の研究の概要 |
ロシアでは体制転換後、国家主導の経済システムが形成され、近年、政府主導のデジタル化戦略が勧められており、国内決済システムの導入、大手銀行のIT化、キャッシュレス決済比率の著しい増加などから見られるように、金融システムの構造的転換が生じている。
本研究はロシア経済のキャッシュレス化に焦点を当て、国家・市場・社会の3つの領域においてロシアのキャッシュレス・エコノミー(cashless economy)の実態を分析する。各領域の環境・アクター分析を行った上で、キャッシュレス化の促進・制約要因を整理し、その浸透メカニズムおよび背景を提示する。
ロシアの経験は、他の新興・移行国との比較研究の対象となりうる。
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研究成果の概要 |
本研究では、ロシア経済のキャッシュレス化に焦点を当て、その動向、浸透度合いおよびメカニズムを分析することを通じて、国家主導経済システムの下で形成されたキャッシュレス・エコノミーの実像に接近した。国際決済銀行(BIS)やロシア中央銀行の統計を用いて、ロシアのキャッシュレス化比率を計算し、ロシア経済・社会においてキャッシュレス比率はJカーブ型の成長を示しており、国内キャッシュレス決済比率の成長率は他の新興国を上回る水準となっていることが明らかとなった。キャッシュレス化が浸透した理由および背景を分析し、市場経済と国家主導経済におけるキャッシュレス化を推進する政策を考える上での、政策的含意を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的な意義は2つある。第一に、ロシアにおけるキャッシュレス化を促進する要因を特定する上で、内部環境と外部環境の要因分析行った点である。第二に、政府、民間部門(市場)、社会といったデジタル化を推進または需要するアクターの観点から、ロシアにおけるキャッシュレス決済を検証した点である。本研究の社会的な意義は、政策立案者に、(1)キャッシュレス・エコノミーを設計する際に、国家主導型と市場主導型の2つの異なるアプローチが存在すること、(2)ロシアを含む新興国では、国家主導でキャッシュレス化が推進されていること、(3)それにより、市場競争が歪む可能性があることなどの示唆を与えることである。
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