研究課題/領域番号 |
21K17966
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
福田 祐子 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (10870412)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スリランカ / 人間開発 / 茶栽培セクター / こども / 生活環境 / 教育格差 / ケイパビリティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、スリランカの紅茶産業の社会構造に焦点を当て、こどもたちの教育達成(在籍・留年状況)の格差が生まれている背景にある要因を①親が帰属する経営形態(半公営農園、民間農園、農家)の社会的構造、②個人の選好(世帯状況と親の意識)から、定量分析と質的調査によって、体系的に考察・分析することを目的とする。 研究方法は、「こどもの活動調査(2008-9年度版と16年度版)」データを用いた定量分析(二項ロジスティック)と複数の紅茶産地における特定の調査対象者を複数年間に渡って聞き取るパネル(フィールド)調査により、構造的な課題と家族が抱える問題について体系的に分析する。
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研究実績の概要 |
紅茶栽培に従事しているひとびとやこどもを取巻く課題については、様々な分野において研究されている。しかしながら、こどもの教育達成に焦点を当てて、同地域という条件下でも、(1)なぜ農家のこどもに比べて農園のこどもは通学している割合が低いのか、(2)なぜ農園の経営形態によって通学しているこどもの割合に差が生じるのかという点について、体系的に比較分析している研究は少ない。本研究では、紅茶産業の経営形態に着目し、こどもたちの教育達成の格差が生じる背景にある要因との因果関係を①親が帰属する経営形態の社会的構造、②個人の選好(親の意識)から定量分析と質的調査によって、体系的に考察・分析することを目的としている。 研究方法は、「こどもの活動調査(2008-9年度版と16年度版)」データを用いた定量分析(二項ロジスティック)と紅茶産地(高地と低地)における特定の調査対象者を3年間に渡って聞き取るフィールド調査により、構造的な課題と家族が抱える問題について分析する。 2023年度においては、昨年度の高地での調査を踏まえ、夏には低地において第1回目の調査、高地において第2回目の調査を実施した。高地と低地では茶葉栽培の発展の背景が異なっており、高地では19世紀後半以降、大規模にプランテーション栽培が展開されたが、1970年代以降の茶葉栽培における民間企業の参入や個人農家の増加から、高地においても近距離の範囲で経営形態が混在しつつあると推測していたが、少なくとも調査地域においては低地のほうが、物理的な近距離の範囲で、①プランテーション栽培、②民間農園による栽培、③個人農家による栽培という複数の経営形態が確認できた。 また、同地域における時間的変遷を確認するため、2023年度の調査データと2013年度に実施した(低地)調査データの基準を統一するため、2013年度のデータをクリーニングした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、複数の紅茶産地において、調査対象者を3年間に渡って聞き取るパネル(フィールド)調査により、構造的な課題と家族が抱える問題について体系的に分析する予定であった。しかし、2021年度のコロナ禍による入国帰国制限や、スリランカ国内の事情(経済破綻による政情不安定)により、現地への訪問が困難な状況であった。 上記の理由から訪問が困難であったため、現地調査(高地)の実施開始が2022年度の後半となってしまったため、1年半ほど遅れが生じた。そのため、当初は初年度に現地を訪問して、調査地の選定や予備調査を行う予定であったが、現地のアシスタントがいくつかの地域を訪問し、その情報を基に調査地を選定した。その後、現地調査を実施できてはいるが、毎年、3年間の調査予定であるため、1年ほど遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究においては、同一地域において、3年間にかけて、毎年1回の調査を行う予定であった。2024年度は高地においては3回目の調査を実施することが可能であるが、低地においては2回目の調査となる。過去(2013年度)の調査との時間的比較や地域間比較をおこなうためにも、低地における3回目の調査は必須であると考えている。そのため、研究計画を変更し、研究期間を1年間延長することで、3回目の調査の実施する予定である。
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