研究課題/領域番号 |
21K17970
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
高橋 環太郎 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (70847954)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 島嶼地域 / 観光需要 / ネットワーク分析 / 交通網 / 観光 / 地域 |
研究開始時の研究の概要 |
島嶼地域は立地的な特徴から重要な地域の一つである。本研究は日本の島嶼地域を対象に社会・経済構造と観光施設の立地との関係を統計分析によって明らかにすることを目的とした。統計モデルは地域の特徴を実証するうえで効果的な手法といえる。島嶼地域を対象とした研究では個別地域を対象とした記述的な研究の蓄積は多いが、計量的手法を用いたマクロスケールによる研究は少ない。分析では地域性の違いを考慮したモデリングを行い、地域ごとの社会・経済構造と観光施設の立地の関係の影響力を推定する。本研究は観光による地域振興を目指す島嶼地域において重要な視点となり、離島振興を考える上で重要な研究だといえる。
|
研究実績の概要 |
本研究は島嶼地域を対象に社会・経済構造と観光施設の立地との関係を統計分析によって明らかにすることを目的としている。 2023年度(令和5年度)は島嶼地域における交通網を対象とした研究と高度経済期における観光ブームに着目した研究を行った。 前年度までの研究では島嶼地域の航路を中心とした交通網に着目をしたが、空路についての分析が不足していた。そこで国内島嶼地域の航空網についてネットワーク分析による中心性の測定を行った。その結果、小規模な島嶼地域は隣接する大きな島との関係性が重要であることが明らかとなった。さらにネットワークの中心性を目的変数とした回帰分析においては島嶼地域の観光需要だけではなく、地域内の経済規模や人口の特性といった社会経済的な要因も重要な変数ということが明らかとなった。これらの結果から、本研究は航空網を維持するには観光振興だけではなく、島内および隣接する地域の社会状況を見ることの重要性を示唆した。 もう一点は高度経済成長期における沖縄の宿泊施設の立地と価格について分析を行った。観光地として発展する前の沖縄を対象とした研究であったが、宿泊施設としての特徴や宿泊価格への影響についての実証を行った。手法としては主成分分析により宿泊施設の変数を集約し、西洋風と和風の宿泊施設という二つの特徴を抽出した。さらに主成分得点を用いて価格への影響について回帰分析を行った結果、和風の施設よりも西洋風の施設による影響が高いことが明らかとなった。また、立地傾向は都市部に西洋風の宿泊施設は集積していた。このことから初期の沖縄観光の発展は都市部に限定されていたことが実証された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究データの整理および構築を行うことができた。また、研究成果を論文にて発表をしたため、概ね順調である。引き続き、分析の対象についても交通面や立地面だけではなく、社会経済における構造との関係を分析する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、引き続き国内外の観光需要について着目し、社会および経済構造との関係について分析を行っていく。今年度は観光施設が充実し始める前の沖縄観光についても分析を行ったが、ほかの地域との比較や現代との関係については課題が残っている。そのため、次年度では他地域との比較および時系列的な変化に着目して研究を進める予定である。
|