研究課題/領域番号 |
21K17971
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
鈴木 富之 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 講師 (30725974)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | オルタナティブ・ツーリズム / ニューツーリズム / 首都圏外縁部 / 観光地域 / 人口減少社会 / 若者の余暇活動 / 3Dレーザースキャナー / 宿泊施設 / ホテル / 湯治 / 温泉観光地域 / 都市構造 / サイクルツーリズム |
研究開始時の研究の概要 |
首都圏外縁部の観光地域は、大都市東京からの近接性と宿泊施設の集積という2つの立地特性により、ニューツーリズムで新たな客層の開拓する際に、他地域に比べアドバンテージの高さを有しているといえる。首都圏外縁部の観光地域におけるニューツーリズムによる再生戦略やそうした取り組みを明らかにすることにより、人口減少社会下を迎えた日本の観光地域がいかにして変遷し、生き残っていくかについての示唆を与えることができるだろう。そこで、本研究の目的は、首都圏外縁部における観光地域の衰退メカニズムを分析し、ニューツーリズムによる再生戦略の実態を明らかにした上で、こうした戦略を選択した要因について考察することである。
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研究実績の概要 |
2022年度は、(1)首都圏外縁部における農村観光地域の形成に関する研究、(2)首都圏外縁部における温泉観光地域の変容に関する研究、(3)首都圏外縁部の大学生における余暇・観光行動に関する研究、(4)ニューツーリズムの先進事例に関する調査研究、(5)観光資源のデジタルアーカイブの作成に関する実証実験などに取り組んだ。 (1)については、栃木県の地誌に関する書籍を出版し、渡良瀬遊水地の観光資源、ゴルフ場跡地を活用した複合観光施設の発展、日光における宿泊施設型ゲストハウス経営の特徴などの内容をまとめた(松村啓子・鈴木富之・西山弘泰・丹羽孝仁・渡邊瑛季編2023.『大学的栃木ガイド―こだわりの歩き方』昭和堂.)。 (2)については、群馬県中之条町で観光関連組織などへの聞き取り調査を行い、その成果を地元の研究者交流イベントで講演した(講演「『観光』と中之条町」,中之条クロス2022@伊参スタジオ,2022年10月30日)。 (3)については、COVID-19パンデミックによる大学生の行動様式の変化を明らかにした(鈴木富之ほか2022.新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックによる大学生の行動様式の変化.地域デザイン科学11:49-62.)。また、観光まちづくりの現場における「若者目線」による地域活性化の課題と可能性についても整理した(鈴木富之2022.観光まちづくりの現場における「若者目線」による地域活性化の課題と可能性.下野教育770:14-19.)。 (4)については、沖縄本島北部における民泊体験事業の展開要因について、学会発表を行った(鈴木富之・柳 銀珠2022.沖縄本島北部における受け入れ組織からみた民泊体験事業の展開要因.沖縄地理学会会報77:4.)。 (5)については、六合赤岩伝統的建造物群保存地区で3Dレーザースキャナーを用いた歴史的建造物の測量を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
栃木県内の研究者などとともに、栃木県の地域資源や観光資源を地誌学的に分析した書籍『大学的栃木ガイド』を出版することができた。また、群馬県中之条町の温泉地などで複数回観光関連組織などの聞き取り調査を行い、その成果の一部を地元で発表することができた。中之条町六合地区では、3Dレーザースキャナーを用いたデジタルアーカイブ作成に向けた調査・測量を行うことができた。一方で、全国旅行支援の影響で、旅館や商店などへの聞き取り調査は実施できなかった。次年度以降に、これらの調査の続きを実施していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
首都圏外縁部の観光地域に関する研究については、新たな調査対象地域で観光関連組織や観光業者を対象としたアンケート調査や聞き取り調査を開始したい。また、中之条町での旅館や商店などへの調査も実施したい。すでにデータを取得した地域の成果についても、論文としてまとめたい。
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