研究課題/領域番号 |
21K17974
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 福知山公立大学 |
研究代表者 |
加藤 好雄 福知山公立大学, 地域経営学部, 准教授 (90740712)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | アクティビティ・システム / 価値共創 / 顧客体験 / 顧客行動 / ノンフリル・サービス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、企業内部の諸活動(アクティビティ)のみではなく、外部環境である顧客行動にも焦点を当てた企業のアクティビティ・システムの構築の可視化を行う。 顧客の行動を考慮するという視点は、提供サービスの可視化が困難な無形財においては特に重要である。そして対面接触が重視されるサービス業においてはCOVID-19の感染拡大の影響度は非常に大きく、この影響度を可視化するためにも対象業種を最も影響が大きいとされている宿泊業を主な対象とする。
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研究実績の概要 |
2023年度の研究実績としては、まず、感染拡大による宿泊事業への影響を中心に、上場企業の財務データを活用した調査・分析を前年度から継続的に実施した。特に、宿泊客の行動と企業活動に着目した研究を行い、2023年5月に日本商業学会第73回全国研究大会にて「COVID-19感染拡大における宿泊客行動に関する研究-宿泊事業の企業活動に着目して-」として発表した。また、半構造化インタビュー調査を定期的に行い、企業活動の変化のプロセスを継続的に収集した。具体的には、ホテルのスマートチェックイン・アウトシステムの開発支援や、旅行業界とホテル業界の動向、訪日観光客の嗜好・傾向、ラグジュアリー市場におけるマーケティング戦略などを調査した。これにより、現場の実態と企業の戦略的対応を把握し、今後の調査研究に資するデータを得た。さらに、外部環境の変化として全国旅行支援が宿泊客行動に与える影響についても調査を実施し、その一部の調査結果を「外部環境変化に適応したホテルの競争優位性」として論文にまとめた。この研究は、外部環境の変化に適応した企業の競争戦略の一端を示すものであり、宿泊事業における新たなビジネスモデルの構築を分析するのに寄与するものである。 2024年3月には、COVID-19感染拡大前後における宿泊客行動の比較分析を可能にするためのWebアンケート調査を実施している。この調査および分析結果は、2024年5月の第74回日本商業学会全国研究大会において、「宿泊事業における非接触サービスの顧客評価への影響」として報告予定である。今後の研究計画として報告内容をさらに進展させていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は、前年度の遅れが今年度にも影響を与えているため、全体的に進捗がやや遅れている状況である。具体的には、前年度(2022年度)は全国旅行支援等の影響が大きく、顧客行動の分析が計画通りに進められなかった。このため、感染拡大前後の顧客行動を比較するためのWebアンケート調査が今年度(2023年度)に延期された。2023年度においては、これらの調査を実施することで進捗の遅れを取り戻そうとしたが、前年度からの影響が残り、計画通りに全ての研究活動を進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究として、2024年3月に実施したWebアンケート調査の分析結果を2024年5月の第74回日本商業学会全国研究大会において、「宿泊事業における非接触サービスが顧客評価に与える影響」として報告予定である。また、この分析結果から得られた示唆をもとに再度アンケート調査を実施し、外部環境変化における企業活動の再構築を明らかにしていく予定である。さらに、前年度から継続して各企業の関係者への調査として、半構造化インタビュー調査を定期的に行い、企業活動の変化のプロセスを継続的に収集することを計画している。
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