研究課題/領域番号 |
21K17987
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 福岡女子大学 |
研究代表者 |
河原 梓水 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (70726017)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 奇譚クラブ / サディズム / マゾヒズム / SM / BDSM / 変態雑誌 / 性科学 / セクシュアリティ / サドマゾヒズム / 生活記録運動 / 近代化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1950年代以降の変態雑誌・SM雑誌の網羅的検討を通じて、主だった雑誌の刊行状況および雑誌相互の連続関係、編集者の移動実態などをを可能な限り解明することで、当該期の変態雑誌・SM雑誌を史料として活用する道をひらく。その上で、収集した言説を分析、当事者によるサドマゾヒズムの脱病理化・規範化言説の歴史を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は、当初の予定通り、SM愛好者への聞き取り調査を実施するとともに、1970年以降のSM雑誌の網羅的調査を行なった。聞き取り調査では、商業SMに関わる4名の方にそれぞれ2回ずつ実施した。その際には、「SMプレイ」とは実のところ何をしているのか、という観点から聞き取りを行った。プライヴァシーへの配慮が必要な内容が一部含まれるため、公開方法については検討中である。 前年度より引き続き行っている1970年代以降のSM雑誌調査では、SMの商業化によって発生したと考えられる「SはサービスのS」、「ソフトSM」という言説の初出を調査した。愛好者への聞き取りでは、「サービスのS」言説は、1990年代後半に、客側のS男性への戒めの言葉として耳にした、という意見があったが、1985年頃、SMクラブ所属の女王様の語りとして雑誌に現れている例を確認した。「ソフトSM」については、愛好者にも様々な起源の語りが見られたが、そのひとつは、2002年の風営法改正によってプレイルームが違法となったことで、設備の整った場所でのプレイが不可能となり、結果SMがソフト化したというものがある。しかし雑誌上で「ソフトSM」の語は1985年の改正風営法施行後に頻出するようになることが分かった。その他にも1985年前後に新出する用語や観念がみられ、この改正の影響はかなり大きいものと考えられる。以上を踏まえ、今後は1985年をSM文化の画期と仮定し、分析を進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスに関係する資料館閉館・入館制限等の影響もほぼなくなり、計画通り研究を遂行できたため。
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今後の研究の推進方策 |
1985年を画期と仮定し、前後の資料調査を徹底するとともに、SM雑誌関係者に聞き取り調査を実施する予定である。
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