研究課題/領域番号 |
21K17988
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
須賀 朋子 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (50743085)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 対人暴力 / 動物虐待 / DV / シェルター / ペット / アメリカ / オーストラリア / 獣医学教育 / 予防 |
研究開始時の研究の概要 |
DVと動物虐待が同時発生的に起きていることが海外で報告されている。日本においても同様な事例が発生しているかの実態は不明であり、現状の把握が必要である。 本研究の目的は、DV被害者の早期の発見と救出、ならびに動物虐待防止のための獣医学生への教育を構築することである。アメリカではDVと動物虐待の関連を問題視し、DVシェルターと大学の獣医学部が連携を図り、獣医学生のための教育プラットフォーム(DVSP)を始めている。アメリカのDVSPを参考にして、日本の獣医学生にDVと動物虐待の関係性についての講義と、DVシェルターへの臨床実習を試み、DV被害者の早期救出、動物虐待防止に貢献することを目標とする。
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研究実績の概要 |
2023年度は1つの研究実績を出すことができた。2021年度と2022年度に行ったインタビュー調査(DVシェルターのスタッフへの調査とDV被害者自身への調査)をまとめたものを、酪農学園大学紀要人文・社会科学編48(2)に投稿し、2024年3月に公開された。題目は「DV家庭のなかで起きている動物虐待-インタビュー調査からの事例-」である。この論文の調査1では、8事例を5つのカテゴリー【動物虐待、子ども虐待、DV、動物病院を受診した事例】、【動物虐待、子ども虐待、DV、動物病院を受診しなかった事例】、【動物虐待、DV事例】、【動物虐待、デートDV事例】、【DV、女性がペットと離れられない事例】に分類した。調査2ではペット同伴可能なシェルターが1施設あったことと、ペット同伴不可のシェルターの対応方法を質的分析を行った。その結果、ペット同伴不可のシェルターは、大表札で【ペット同伴不可と告げる】、【ペットだけ友人や親戚に預けてきてはどうかと提案する】、【ペットとは離れられないと判断する】が抽出された。【ペット同伴不可と告げる】と{連絡がなくなる}か{ペットを置いて逃げてくる}の2つの中表札が抽出された。【ペットだけ友人や親戚に預けてきてはどうかと提案する】と中表札で{友人または、親戚、インターネットで預かり先を探す}か{ペットの一時預かり(有償)を紹介する}が抽出された。【ペットとは離れられないと判断する】と中表札で{ペット里親などの預け先を提案する}が抽出された。この論文から、日本でも対人暴力と動物虐待は共存していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度と2022年度に行ったインタビュー調査を「DV家庭のなかで起きている動物虐待-インタビュー調査からの事例-」という題目で論文化し、オープンアクセスできる酪農学園大学研究紀要人文・社会科学編で公開できたため。 2022年度に「対人暴力と動物虐待の関連についてのアンケート調査」を作成し獣医学類の学生236名から回答が得られたものを、英語論文にまとめたがリジェクトされたため、和文論文に修正し、投稿する準備ができているため。
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今後の研究の推進方策 |
1.「獣医学生の動物虐待と対人暴力の関連に関する考え」を酪農学園大学紀要に投稿する。10月にオープンアクセスでの公開を目指す。 2. 獣医学類と獣医保健看護学類の1年生、およそ220名に「対人暴力と動物虐待の関連」についての介入授業を10月初旬に行い、授業を受けてみてのアンケート調査を行い、分析し、論文化する。
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