研究課題/領域番号 |
21K17994
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
郭 磊 名古屋大学, シンクロトロン光研究センター, 助教 (10816127)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | アルカリカソード薄膜 / ヘテロ接合 / 真空輸送装置 / 光電子分光 / NEA-GaAsフォトカソード / マルチアルカリカソード / GaAs フォトカソード / 負の電子親和性 / 量子効率 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、薄膜によるヘテロ結合を用いることで、これまでバルク材料では実現することのできなかった高量子効率、高耐圧力、大電流すべての性能を有するフォトカソードの作製を目指す。具体的には、負の電子親和力によって最も高い量子効率が得られる単結晶GaAsのバルク基板上に、アルカリカソードK2CsSb薄膜を20 nm成膜してヘテロ接合を作製する。紫外光電子分光法(UPS)で負の電子親和力が得られているのかを調べる。また、量子効率を測定し、フォトカソードとしての性能の評価をする。その際、圧力を10-9Paから10-7Paまで上げ、変わらず高い量子効率が得られるかを評価する。
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研究成果の概要 |
アルカリカソード薄膜によるヘテロ結合を用いて負の電子親和力が得られる新しいNEA-GaAs構造を実現するため、薄膜によるNEA層の理解を試み、その化学結合状態の解明を挑戦した。 貧弱なNEA層の機能を損なわずに輸送できる真空スーツケースを開発した。これを用いて世界初で大学のラボから放射光施設まで無傷のままでカソードの輸送が成功した。 2種類の成膜手法を試し、作製されたカソード構造の組成の違いが確認できた。頑丈なNEA層を目指し、K過蒸着法から得られた組成は適正だと抜粋できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今までカソードの性能とする量子効率と寿命だけに注目してカソードの研究開発を行っている。一方、その性能が更なる向上することが難しくなってきた。その問題に対して、本研究の成果では、カソードの研究開発に新しい手口を提供することができた。フォトカソード自体の化学結合状態及びその物理的なメカニズムの解明からフォトカソードの分子構造などの理解を深めることが可能になり、カソード性能の向上に繋ぐ。
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