研究課題/領域番号 |
21K17997
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
内藤 大地 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (30788237)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 極低エミッタンス光源 / 過渡的電圧変動 / 広帯域空洞 / 次世代放射光源 / 高周波加速 / 過渡的電圧補償 / バンチ伸長 / 過渡的電圧変動補償 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の最終目標は次世代リング型放射光源での極低エミッタンス達成に必要不可欠な、理想的バンチ伸長を実現する手法を確立する事である。そのためにはバンチ伸長に用いられる主空洞と高調波空洞内に発生する過渡的電圧変動を補償するシステムを確立しなければならない。そこで本研究ではこの補償システムで用いるRF空洞を実際に製造して以下2点の性能を実証する。1つ目に過渡的電圧変動の補償能力を決定づけるRF結合定数が設計通りの値である事を実証する。2つ目にビーム不安定性を起こす可能性がある、補償空洞の高次の共振モードが設計通り減衰されている事を実証する。そして次世代光源で使用される実機のデザインを行う。
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研究成果の概要 |
次世代光源での極低エミッタンス実現に必須なバンチ伸長時の過渡的ビーム負荷補償には、RF空洞に発生する過渡的電圧を補償可能な広帯域空洞が必須となる。そこで申請者は電磁場シミュレーションを用いて空洞形状の最適化を行い、世界で初めて空洞の具体的なデザインを提唱した。そしてこの補償空洞の性能実証のため、低電力モデルの設計と製作を行ない、その性能評価を行なった。RF特性の性能評価ではデザインした空洞が過渡的電圧変動を補償するのに十分な応答速度を持つ事を実証した。また空洞に発生する高次の寄生モードが十分に小さい事を実測し、申請者が設計した補償空洞が実際に次世代光源で使用可能である事を実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
過渡的電圧補償が重要である事は世界の共通認識であったが、実際に次世代光源の建設計画がある施設では建設に追われており、我々の研究グループ以外に具体的な検討を進めているグループはあまり無かった。現在は次世代光源の建設が終わり、過渡的電圧補償の具体的検討を始めた施設が出てきている。このような状況で申請者が過渡的電圧補償が可能なハードウェアを提唱した意義は非常に大きく、これらの施設で申請者が考案した補償空洞が採用される可能性がある。また申請者は具体的なデザイン決定のプロセスを国際学会で発表しており、この成果はこれから各施設が検討を進める上で大きな助けとなる。
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