研究課題/領域番号 |
21K18013
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 京都大学 (2023) 関西大学 (2022) 北海道大学 (2021) |
研究代表者 |
李 媛 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (90803388)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 玉篇系字書 / 全字形データベース / 字体記述体系 / 日本古辞書 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本古辞書の多様性・複雑性を念頭に、日本古辞書編纂に多大な影響を及ぼした玉篇系字書(原本『玉篇』、『篆隷万象名義』、宋本『玉篇』)の全字形画像データベースを構築することによって、異なる地域・時代に成立した同源の三つの漢字字書におけるそれぞれ字体記述体系を緻密に記述し、それぞれの字書の字体記述体系の全体像、相互差異及び変遷を明らかにすることを研究目的とする。さらに他の古辞書に展開し、日本に伝承された古写本古辞書文献資料を電子化し、そのオープンアクセスを実現するための基礎研究である。
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研究実績の概要 |
2023年度に「玉篇系字書の電子テキストの構造化記述」プロジェクトを進行した。 整備された玉篇系字書の本文データを対象に、Text Encoding Initiative(TEI)のP5ガイドラインを用いて電子テキストの構造化記述を試みた。TEIは人文学のデータを記述するためのXML形式の国際標準で、欧米のデジタル・ヒューマニティーズプロジェクトで広く利用されている。日本でもTEIの採用が進み、関連する人文学プロジェクトが増加している。 研究の一環として、「A Modern Manuscript of Tenreibanshomeigi in the Library of Kansai University and its Digital Release in KU-ORCAS」という題目で、関西大学附属図書館所蔵の近世写本『篆隷万象名義』の文献調査、そのデジタル化および公開状況についてEAJS2023(the 17th International Conference of the European Association for Japanese Studies)で報告しました。また、「TEI Lex-0を利用した日本古辞書の構造化記述」というテーマで、第37回東洋学へのコンピュータ利用研究セミナーで研究発表を行った。さらに、日本古辞書を対象にした人文情報学的なアプローチについては、「Digitization of Historical Lexicography and TEI-Lex0」ワークショップで報告した。 また、2023年10月16日から20日にかけてアメリカのイェール大学で開催されたIRG(Ideographic Research Group)#61の会議に参加した。IRG#61は、Unicodeの規格ISO/IEC 10646で漢字の符号化を検討するIRGの定例会議で、提案された漢字の符号化に関するレビューの議論に参加した。会議で得た知見は、玉篇全字形データの構築に非常に参考になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
玉篇系字書の電子テキストの構造化記述に関しては、適宜進行し、国内外の学会において成果を公表し、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
前年に引き続き、電子テキストの構造化記述、および玉篇系字書全字形データ作成を進めるとともに、関連する玉篇の写本調査を進める予定である。成果は論文投稿、データベース更新の形で公開する予定である。
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