研究課題/領域番号 |
21K18021
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
末吉 智奈佐 九州産業大学, 理工学部, 助手 (40823977)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 地域公共交通 / コミュニティバス / 健康管理支援システム / 運行管理支援 / 地域情報化 |
研究開始時の研究の概要 |
自治体・自治会などの組織が運行する地域公共交通は、財政的に非常に厳しい状態で運行を継続している。さらに、民間事業者が撤退した路線を引き継ぐことが多く、乗務員の人手不足が深刻化している。また、配車を行うための情報の多くは紙媒体で保管されており、運行管理者がその時々の乗務員の健康状態などを定量的に”見た”配車は困難である。乗務員自身もその時々の健康状態を”見ていない”ので、直感的な意識のみで自己管理をしなければならない。そこで、乗務員の健康状態を運行管理者と乗務員自身が把握しかつ配車と運行を支援するための、乗務員が”見える”地域公共交通運行管理支援システムの研究開発を行う。
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研究実績の概要 |
本年度は、研究実施3年目であり、最新研究の動向調査と整理した課題を解決するために設計したシステム案をローカル環境でプロトタイプシステムとして実装し、評価および再検討を行なった。これまでの研究成果を応用し、コロナ禍の地域公共交通向け従業員管理支援システムの構築として「Proposal for an Employee Management Support System for Regional Public Transportation Based on Health Data」というタイトルでAsia Pacific Computer Systems Conference 2021(APCS 2021)にて発表を行った。 近年、採算が取れずに路線を撤退するバス会社や営業所を閉鎖するタクシー会社が多くなっており全国で社会問題となっている。そこで、地方自治体が関与す る地域公共交通に着目し、デジタルトランスフォーメーションによる運行管理の支援を提案する。運行主体は収入が多くないことから最新の機材を導入することは非常に難しく、新規の従業員を積極的に雇うことも難しい。そのため、機材の老朽化や従業員の高齢化が進み、深刻な状況である。また、高齢化が進むことで 従業員の健康上の問題に起因する事故などが年々増加していることが報告されており、事故を防止するためには従業員の健康状態を含めた管理が必要であるが、 現状の紙ベースの管理だとどうしても時差が出てしまうため、健康状態を加味した運用を行うことは難しい。健康状態を運行管理と連携することで、従業員個人に沿った割り当てができるだけでなく、危険を事前察知することができるため、効率化以上の効果を期待することが可能であるというのが、本研究成果の概要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は研究計画の3年目であった。最新研究の動向調査と整理した課題を解決するために設計したシステム案をローカル環境でプロトタイプシステムとして実装し、評価および再検討を行なった。
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今後の研究の推進方策 |
4年目は、プロトタイプシステムの評価と実運用向けシステムの実証実験を行う。実証実験のフィールドは、現時点で了承を得ている提携する自治体の運行主体のコミュニティバスで行う予定である。実証実験からシステムの有用性、実現可能性、効果を評価する。研究成果の場として、1件の国際学会と1件の国内研究会を予定している。
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