研究課題/領域番号 |
21K18033
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
市川 淳 静岡大学, 情報学部, 助教 (90807942)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 協調 / インタラクション / 集団運動 / 役割分担 / 調整 / モデリング / レジリエンス / 行動予測 / 認知モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,複雑で動的な複数人による身体運動の協調において重要な集団全体のバランスを保つ役割の背後にある認知モデルの構築を目指す.3人1組で運動協調が求められる課題を用いて他者の行動予測に関する認知のモデル化と実験的検証を行い,集団全体のバランスを保つ役割が課題の成果を示すパフォーマンスに与える影響を明らかにする.計算機シミュレーションから行動予測の認知を構成論的に理解し,さらに環境を操作する実験を行い,認知科学的にモデルの妥当性や頑健性を検証する.「個」と「集団」の発展議論に向けた知見を提供することが期待される.
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は,集団目標を共有した複雑で動的な3者の協調運動における調整,及び認知情報処理のモデル化である.主な成果としてトップダウン処理であるルールベースのシミュレーションから,協調に重要な適宜介入し他者を助けて状況の改善を図るレジリエントな役割が,他者の運動情報を含むタスクパフォーマンスを参照した上で調整を行うことが示唆された.パフォーマンスから他者の行動を予測しているかもしれない.本研究は,協調運動に関連する認知情報処理の構成論的な理解につながり,ボトムアップ処理に対応する強化学習等と組み合わせることで,より人らしいモデルの実現が期待される.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,これまでの認知科学や神経科学では十分に議論されなかった集団目標を共有した3者の協調運動を理解する上で基盤となる知見を提供した.このような協調運動を議論するスポーツ科学や生物集団行動学との接続が実現し,情報処理の観点から協調運動を検討する新たな領域を開拓した点で学術的意義があると言える.また,高いパフォーマンスに関連するレジリエントな役割,及びその役割がどのように遂行されるかを解明したことで「集団」と「個」に関する発展的な議論が期待される.リーダー・フォロワーとは異なる性質をもつ役割の重要性を提案したことは社会的意義が大きいと考えられる.
|