研究課題/領域番号 |
21K18037
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大谷 智仁 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 講師 (40778990)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 血流動態 / 循環器 / 脳脊髄液 / 数値流体力学 / データ同化 / MRI / 4D flow MRI / 変分最適制御 / 血液流動 / 計算バイオメカニクス / 4D CT / 血行力学 / 渦電流 / 最適制御 / 医用画像処理 / 循環器血流 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,連続体力学理論に基づき,マルチモダリティ医用画像の計測情報から,時間-空間ともに連続な患者個別の力学場を推定するための基盤理論を構築する.連続体力学理論に基づく場の支配方程式を考え,医用画像から得られる離散的な計測情報から,時間-空間ともに連続な循環器系の力学場を患者個々にコンピュータ上で再現する.さらに,各モダリティの画像が持つ不確かさを計測原理に基づき考慮し,統計数理の観点から,推定結果に対する計測情報の不確かさの影響を定量的に明らかにする.最終的には,医用画像の計測精度の範囲での妥当性を保証する,循環器系力学場の患者別評価システムの確立を目指す.
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研究成果の概要 |
循環器運動や生体流れの医用画像計測に基づき,数値計算の援用による詳細な流れ場の構築や,計測アーチファクト除去,計測に基づく流体データ同化の方法論を構築した.心電図同期CTに基づく左心房内血流の大規模計算を用いて,肺葉切除手術が左心房内の血流動態に与える影響を解明した.また,頭蓋内の脳脊髄液流れを対象として,機器の渦電流に起因して計測速度場の生じるオフセットの自動除去アルゴリズムを開発した.さらに,補正した計測速度場を用いた流体データ同化として,計測速度場と数値計算による速度場の誤差最小化問題を考え,変分最適制御に基づく流体データ同化を試み,その有効性を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で構築した,大規模並列化を駆使した循環器血流の患者別解析や,生体流れのMRI計測におけるアーチファクト除去および流体データ同化手法は,数理・力学計算による生体流れ計測・理解の高度化をもたらすものであり,いずれも生体流れ解析の汎用的なツールとなり得る.特に,MRIによる流動計測は,血流場だけでなく脳脊髄液流れなど様々な応用および臨床診断への展開が期待されるが,時空間解像度の限界や複数種類のアーチファクトの問題を含んでおり,定量的妥当性の向上が望まれている.本研究で構築した技術群は,はこれらの問題の解決に向けた基幹技術と位置付けられる.
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