研究課題/領域番号 |
21K18050
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 成蹊大学 (2022) 東京大学 (2021) |
研究代表者 |
小沢 文智 成蹊大学, 理工学部, 助教 (00739120)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ハイドロゲル / 細胞カプセル化 / 膵島移植 / ハイドロゲルカプセル / 細胞移植 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
膵島移植は重症インスリン依存性糖尿病に対する画期的な治療法ではあるが、絶対的なドナー不足が最大の課題である。ドナー不足という問題を抜本的に解決するために、iPS細胞を利用した新たな移植療法の実現が強く望まれる。これを移植療法として実用化するためには、移植細胞に対するホストからの反応を抑制することと、iPS細胞由来膵島の安全性を担保することが必要である。 本研究では、細胞をハイドロゲルでできたデバイスにカプセル化し、ホストからの異物反応の抑制とカプセル化細胞の長期機能維持を兼ね備えた取り出し可能な細胞移植片の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
膵島移植は重症インスリン依存性糖尿病に対する画期的な治療法ではあるが、絶対的なドナー不足が最大の課題である。ドナー不足という問題を抜本的に解決するために、異種細胞やiPS細胞を利用した新たな移植療法の実現が強く望まれる。近年は、iPS 細胞の効率的作製が進み、分化誘導により機能的な膵島を調整することが可能になってきたが、これを移植療法として実用化するためには、移植細胞に対するホストからの反応を抑制することと、カプセル化した膵島の安全性を担保することが必要である。そのためのアプローチの1つとして細胞をハイドロゲルや半透膜などの免疫隔離膜にカプセル化して移植する方法がある。本研究では、高効率に細胞を充填できるハイドロゲルカプセル化デバイスを作製し、ホストからの異物反応の抑制とカプセル化した細胞の長期機能維持を兼ね備えた取り出し可能な細胞移植片の開発を目指す。 今年度は、HeLa細胞をカプセル化したハイドロゲルファイバーを作製し、免疫不全マウスへ移植し、腫瘍形成の有無を確認することで安全性試験を行なったところ、非カプセル化群は腫瘍を形成したのに対し、カプセル化群は腫瘍を形成せず、細胞カプセル化による移植安全性が確認できた。 また、膵島細胞カプセル化したハイドロゲルファイバーに対しても、PEGコーティングを行い、糖尿病モデルマウスに移植し、異物反応が抑制されるかを評価した。その結果、コーティングを行っていないものに比べ、異物反応は緩和されてはいたが、カプセル化した細胞の影響で細胞をカプセル化していないファイバーよりは異物反応が強く現れた。 現在は、ハイドロゲルファイバーのポアサイズを制御する方法を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の、異動に伴い実験設備等の研究環境を新たに立ち上げ直す必要があったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ポアサイズを制御したハイドロゲルカプセル化デバイスを作製し、in vitro/in vivo で機能評価を行っていく。 まず、in vitroで十分に機能を発揮するのを確認したのち、糖尿病モデルマウスへ移植しin vivoでの機能評価を行なっていく。 また、ポアサイズを制御したハイドロゲルカプセル化デバイスの糖尿病治療以外への応用を検討する。
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