研究課題/領域番号 |
21K18063
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石川 昇平 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特別研究員 (50897981)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ハイドロゲル / ダブルネットワーク / 自己組織化ペプチド / ポリエチレングリコール / 組織再生足場 / 細胞足場 / 自己修復性 / 逐次形成 |
研究開始時の研究の概要 |
動的な分子間架橋に基づきナノオーダーのファイバーネットワークを形成する自己組織化ペプチドは、傷が元に戻る自己修復性と細胞を活性化し組織再生を促す組織再生性を併せ持つことから、細胞包埋型の足場として利用価値が高い。しかし、ペプチドのゲル化原理は、水素結合や疎水性相互作用などの物理的な架橋が形成されることだが、この架橋様式を介し設計するゲルの力学強度は非常に低いため、組織代替材料として応用し難い。そこで本研究では、複合ネットワークの逐次形成手法と、高力学特性を達成するダブルネットワーク(DN)戦略を取り入れることで、ペプチドを用いた自己修復性インジェクタブルDN ゲルの設計指針を提供する。
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研究成果の概要 |
本研究では、高分子網目の逐次形成手法を用いることで、従来の研究では困難だった高力学特性と細胞接着性を併せ持つ、生体適合性に優れた材料からなる高分子ゲルを開発した。この材料は、自己組織化ペプチドとポリエチレングリコールからなる完全合成材料であるため、毒性の懸念が少ない。本研究にて開発した高分子ゲルは、今後の組織工学や再生医工学の発展に寄与するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現行のダブルネットワークゲルは、① 細胞毒性を伴う光架橋や重合法を用いたゲル化手法、② ゲル物性の制御が困難な高粘性材料、③ 生体適合性に乏しい高分子などの、バイオメディカル応用に不向きな材料戦略だった。しかしながら本研究では、これらの課題を全て克服したダブルネットワークゲルを、完全合成材料を用い、高分子網目の逐次形成手法を組み合わせることで作成した。本研究成果は、新規なダブルネットワークゲルの作成手法を提案するとともに、臨床的な観点からも基盤となる技術となり得る。
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