研究課題/領域番号 |
21K18065
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
福田 達也 和歌山県立医科大学, 薬学部, 講師 (90805160)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / エクソソーム / リポソーム / DDS / 脂質膜融合 / 高圧乳化処理 / マイクロフルイダイザー / がん / ホスファチジルセリン / カルシウム融合 / 間葉系幹細胞 / 血液脳関門 / 脳血管標的化 / 脳梗塞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、脳梗塞部位の血液脳関門(BBB)に対する標的化リポソームと、BBB透過能を有する間葉系幹細胞由来エクソソーム(MSC-Exo)、2種の機能性ナノ粒子を融合させ、リポソームとExoの機能を併せ持ち、脳梗塞部位のBBBを能動的に突破可能な革新的ナノDDSの開発を目的とする。その達成のため、MSC-Exoを用いた新規ナノDDSの構築と最適化、そしてin vitroおよびラット脳梗塞モデルを用いたin vivoにおける脳血管透過の検証、脳梗塞治療実験を行う。
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研究成果の概要 |
脳梗塞のような中枢疾患の治療においては、脳への薬物移行の障壁となる血液脳関門(BBB)の突破が必要である。本研究では、BBB透過能を有する種類が報告されている細胞外小胞エクソソーム(Exo)に着目し、Exoの脂質膜組成を利用した脂質ナノ粒子リポソームとの融合法の確立に着手した。そして、構築した融合ナノ粒子が、がん細胞や脳血管内皮細胞に高い取り込みを示すことを明らかとした。また、Exoへの機能性脂質・低分子薬物の搭載において、超高圧ホモジナイザーを用いた高圧乳化処理が有用であることを示し、皮下移植担がんマウスを用いた検討から、in vivoでの疾患治療に適用可能であることが見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞外小胞エクソソーム(Exo)は、BBB透過性を有するなどの利点から、薬物送達システム(DDS)への利用が期待されており、リポソーム等のナノ粒子へのExo様機能の付与やExoへの簡便な機能性分子の修飾や高効率薬物封入の実現は、Exoを用いたDDS製剤の開発研究を加速化する新たな技術となる点で学術的意義がある。また、中枢疾患は未だアンメットメディカルニーズが多いが、本研究のさらなる発展は、中枢創薬に資する新たなDDS技術の開発に貢献できる可能性がある点で、社会的意義があると言える。
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