研究課題/領域番号 |
21K18066
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西田 慶 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (30895272)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 細胞膜 / 水和 / 糖鎖 / 癌細胞標的化 / 細胞標的化 / 非特異的相互作用 / 非水溶性高分子 / コアセルベート / 液-液相分離 / 細胞材料間相互作用 / 水素結合 / コアセルベート液滴 / 細胞-材料間相互作用 / ターゲティング |
研究開始時の研究の概要 |
薬剤送達の研究領域では、新たな細胞標的化技術の開発が求められている。生体内で生じている主な相互作用であるタンパク質間の相互作用は、タンパク質表面に水和している運動性の低下した水分子が重要であることが知られている。そこで本研究では、高分子材料および細胞膜間の運動性が低下した水和水量を指標とした細胞標的化技術を提案する。細胞膜の構成成分は細胞種によって異なることから細胞膜表面上の水和水もまた異なると予想し、高分子材料側の運動性が低下した水和水量を適切に調整することで特定の細胞に対して高い相互作用力が誘起されると期待した。
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研究成果の概要 |
本研究では、タンパク質間相互作用が生じ得るタンパク質の表面には運動性の低下した水分子が多量に水和していることに着目し、高分子材料および細胞膜間の水和水量を指標とした細胞標的化技術の確立を目的とした。1. 高分子材料および細胞膜の水和水の評価、2. 水分子に着目した癌細胞と高分子材料間の相互作用力を評価した。水和水量の異なる高分子からなるコアセルベート微粒子を作製し、複数の細胞種に対して添加した結果、コアセルベート液滴は水和水量に依存して、細胞に対する集積性が変化することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本申請課題では、細胞の標的化を実現する新たなアプローチを確立することを目的とし、合成高分子ならびに細胞膜上の運動性が低下した水和水量に着目した研究を推進した。従来、細胞レベルでは標的とする細胞群に高発現が認められる抗原に対するリガンドの使用、組織レベルでは癌組織間隙の拡張に伴う透過性の向上を利用した方法が広く研究されている。本研究では、細胞膜上に発現する特定の抗原ではなく、細胞膜を構成する分子組成に起因した水和水の差を指標として細胞選択性を実現した。癌治療に対する材料設計において、細胞標的化を達成するための新規パラメータとして貢献するものと期待される。
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