研究課題/領域番号 |
21K18067
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
濱田 圭佑 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (40833033)
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研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | DNAアプタマー / 細胞接着 / 細胞接着分子 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞外マトリックスを模倣し、細胞を生体内に近い環境で培養できる生体材料の開発には、細胞表面の受容体に特異的に結合して細胞接着活性を示す「細胞接着分子」が必要である。そこで本研究では、DNAアプタマーに着目し、細胞接着関連タンパク質のインテグリン受容体に対して特異的に結合することで細胞接着活性を示す、細胞接着分子を開発する。さらに得られたDNAアプタマーを高分子多糖と結合させることで、細胞外マトリックスを模倣した生体内環境を提供する細胞接着基材へと応用する。これにより、核酸分子を細胞接着分子として細胞培養基材に利用可能なことを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、インテグリン受容体に特異的かつ高親和性に結合するDNAアプタマーを取得し、その結合能評価を行うとともに、細胞接着活性を指標に、細胞接着分子として機能するものを追加選別しDNAアプタマー多糖マトリックスの構築を目指すものである。これにより、DNAアプタマーが細胞接着分子として、細胞培養基材の開発に有用であることを明らかにする。 昨年度の成果として、得られたインテグリン結合性DNAアプタマーの配列情報に関して、特許出願を行うに至った。本年度は、これらの配列を用いて、目的とするDNAアプタマー多糖マトリックスの構築を図るべく、各種条件検討を実施した。 具体的には、まず、昨年度に獲得したDNAアプタマー分子が適切に細胞表面の受容体に結合することを確認するべく、蛍光分子修飾体を獲得した後、免疫染色および、フローサイトメトリーによる結合解析を実施した。その結果、獲得したDNAアプタマー分子が適切に細胞表面に結合することが確認できた。さらに、細胞接着分子へ応用するべく、Thiol結合体およびアジド構造を導入した修飾DNAアプタマーを合成し、それらが適切に他のモデル分子と結合可能であることを確認した。次年度は、DNAアプタマーを細胞接着の足場となる種々の高分子を結合させることによって細胞培養基材となることを証明することを目指す。また、獲得したDNAアプタマーの最小活性配列を模索するべく、deletion mutantの合成およびその機能評価、活性評価も同時に実施し、高分子多糖との結合部位の導入に最適な核酸塩基の同定も並行して実施したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、インテグリン受容体に強固に結合するDNAアプタマーのスクリーニングから得られた複数の候補配列が、適切に細胞表面に結合することを複数の実験手法により確認した。さらに、それらの修飾体が、モデル分子と適切に結合し、複合体を形成できることも明らかにした。次年度はこれらの情報を元に、高分子多糖マトリックス複合体を適切に構築できるものと考えている。以上より、おおむね順調に進展しているものと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、獲得に成功したインテグリン結合性DNAアプタマーと高分子多糖との複合体を構築し、それらが、優れた細胞接着活性を有するか否かを確認する。さらに、申請者所属教室にて開発した細胞接着器材であるマレイミド修飾BSAに担持させることによって、高分子多糖以外の細胞接着用器材との複合体においても細胞接着活性を示すか確認する。 さらに、獲得したDNAアプタマーのdeletion mutantの設計、合成および活性評価も同時に実施することで、さらに細胞膜受容体結合能が向上したDNAアプタマー分子の獲得も模索する。以上により、本研究の目的とする核酸ー高分子多糖複合体による細胞接着基材の開発を目指す。
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