研究課題/領域番号 |
21K18078
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村瀬 翔 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (30762538)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | パッチ型心電計 / 多チャネル / 心房細動 / 脳梗塞 / 多電極 |
研究開始時の研究の概要 |
今後,更なる高齢者社会を迎える本邦において,健康寿命の延伸は重要課題となっている.脳卒中や循環器病疾患への予防意識が高まる昨今,従来よりも長時間の心電図を,より簡便に測定かつ解析できるパッチ型心電計の開発が進んでいる.しかし,現存機器は,いずれも単チャネル式であるため,心房細動を含めた不整脈疾患の診断精度に限界がある.多チャネル式パッチ型心電計は,心電図を多面的に同時測定することで単チャネル式では捉えにくい低振幅波も安定して抽出できる可能性があり、単チャネル式の欠点を補完し得る.本研究では,多チャネル式パッチ型心電計試作機の改良と、その機器性能のついて現存機器との比較検証を行う.
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研究実績の概要 |
請者はH31年度科研費若手研究(19K20710)の助成下にて、多電極シートを用いた多チャネル式パッチ型心電計試作機の導出と、安静時正常心電図における波形描出および自動解析性能の検証を行い、同試作機が既存12誘導心電計と同等の性能を有する可能性があることを実証した。本助成下において、R3年度は心房細動を有する患者での実測を行う方針とした。既存の単チャネル式パッチ型心電計(Duranta、株式会社ZAIKEN)にて、心房細動の出現を確認できた入院患者11例を対象として、2機種(試作機およびDuranta)による1時間以上の同時心電図測定を施行することができ、開発デバイス各構成要素の品質向上について課題の洗い 出し(貼付位置、センサシートの形状、接続部のデザイン、固定方法の見直しなど)を行うことができた。しかし、R4年度はCOVID19感染症による社会情勢から、入院患者を対象とした臨床研究を進めることが困難であった。R5年度は、開発デバイスの構成要素(電極センサーシート、アルゴリズムなど)について、研究協力者である大阪大学産業科学研究所および神戸大学大学院システム情報学研究科によるラボ内でのアップデートが進み、16電極搭載の新型シートおよび新型シート対応の専用解析ソフトの導出に至った。R5年度内の新型試作デバイスの性能検証を試みたが、リファレンスとなるパッチ型心電計の製造販売元である株式会社ZAIKENの経営破綻などもあり、R5年度内の研究遂行が困難であった。これを受け、リファレンスのパッチ型心電計としてLIZMIL(株式会社MID)を採用することとし、引き続きR6年度内の研究遂行へ努めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
R5年度はCOVID感染症の5類感染症への移行など行政判断に伴う実臨床業務への影響にて、研究遂行が困難であった。また、研究遂行に必要不可欠な機材の製造販売元が経営破綻をきたし、これに伴う研究計画の修正が必要になった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの我々の研究で使用した試作機の構成要素では、センサ部分において6電極搭載型のフレキシブル薄膜センサシートを採用していた。現在、研究協力者の開発推進の結果、16電極を実装したフレキシブル薄膜センサシートおよび、多電極からのサンプリング情報を処理・解析可能な専用ソフトの試作導出が終了している。以前の6電極型と比較して、電極数の増加および電極間距離の広がりから、より多面的な生体電気信号の立体的マップ構築が可能となると推察されており、この16電極搭載型センサシートで正常心電図・異常心電図の少数例の測定を行うことでデバイスパッケージの実性能の確認・検証を進めていく方針とする。
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