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膵移植グラフト予後予測ツールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K18083
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分90130:医用システム関連
研究機関九州大学

研究代表者

加来 啓三  九州大学, 大学病院, 助教 (80848028)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード膵移植 / 1型糖尿病 / マージナルドナー / 予後予測 / 機械学習
研究開始時の研究の概要

膵移植では標準的ドナー条件を満たさないマージナルドナーからの移植も多く行われている。安全性のさらなる向上には、ドナー適応を判断する際の明確な基準が必要である。本研究では様々なドナー因子を統計学的手法ならびに機械学習を用いて解析し、膵移植成績に関わる予後因子の同定と、この結果をもとにした膵移植グラフト予後予測ツールの開発を行う。本研究の成果は、膵移植成績の向上ならびにドナープールの拡大に貢献できると考える。

研究実績の概要

1型糖尿病の根治治療として脳死下膵移植があるが、現状脳死ドナーが少なく待機期間も長期である。待機中の死亡率も高率であることから、いわゆる標準的ドナー条件を満たさないマージナルドナーからの移植が積極的に行われているが、マージナルドナーの安全性に関する客観的指標がない。本研究では、現状各施設基準に委ねられているマージナルドナー基準を統一し、客観的かつ簡便に移植後のグラフト機能予測を可能とするツールの開発を目的とした研究である。
本研究では様々なドナー因子の中から、膵移植後の予後に関与するドナー因子の同定を試みる。単一因子での予後予測は困難と想定されることから、複数の予後因子を基に移植後グラフト機能予後を推定するモデルを作成する。モデル作成にあたっては、機械学習を取り入れて行う予定である。
2021年度は2つの国内全国学会において本研究に関するテーマに関し報告を行った。第57回日本移植学会では予後因子候補の一つである手術因子についてシンポジウムでの報告を行った。また、本邦膵移植データ438例を対象として、統計学的解析に加え、本研究の中心となる機械学習を用いて、死亡廃絶を含む1年以内の膵グラフト廃絶に関わる予後因子を解析した。解析にはニューラルネットワークと勾配ブースティング木を利用した予測ソフトウェアを活用した。複数の予後因子候補を同定でき、これらの因子を組み入れ交差検証でAUC 0.65となる予測モデル作成まで完了した。この結果を第49回日本膵・膵島移植学会で報告した。2022年度はさらに2つの国内全国学会で本研究に付随するテーマについて報告した。2023年度は、予後因子に関しての原著論文2編を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予後因子検討のための先行研究として第57回日本移植学会シンポジウムで「脳死膵臓移植において手術因子が治療成績に与える影響」を報告した。本邦膵移植データ438例を対象として、死亡廃絶を含む1年以内の膵グラフト廃絶に関わる予後因子を機械学習を用いて解析した結果を第49回日本膵・膵島移植研究会で「AIを用いた本邦膵移植データの解析 予後因子の抽出と予後予測」として報告し研究奨励賞を受賞した。一定の評価を得るとともにモデルの精度ならびにアウトカムの設定に関し課題も浮かび上がった。本年度は、予後因子の候補であるPancreas donor risk indexならびにドナー、レシピエントのサイズミスマッチに関しての報告をまとめ原著論文として発表した。これらの結果は、本研究の最終的な目標であるグラフト予後予測ツール作成にあたっての重要なデータになると思われる。

今後の研究の推進方策

現時点で、予後予測モデルは中程度の予測能を示すことができたが、さらなる予測精度の向上が求められる。今後の症例数の増加は精度上昇に寄与すると考えている。また、予測対象範囲をグラフト血栓症やグラフト十二指腸穿孔などさらに細分化したものとし、精度の向上とともに応用性を持たせることを検討している。本年度は予測ツールに組み入れる個別の予後因子に関しての検証を進めることができた。これらの結果をもって、最終的な予後予測ツールの精度向上を目指す。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The registry report of pancreas transplantation in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Keizo Kaku, Akari Kaba, Kodai Shingaki, Shinsuke Kubo, Yu Sato, Takanori Mei, Hiroshi Noguchi, Yasuhiro Okabe, Masafumi Nakamura
    • 学会等名
      The 18th Congress of Asian Society of Transplantation
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Effective utilization of organs for pancreas transplantation in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Keizo Kaku, Yasuhiro Okabe, Shinsuke Kubo, Hiroshi Noguchi, Masafumi Nakamura
    • 学会等名
      第35回日本肝胆膵外科学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Effective utilization of organs for pancreas transplantation in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      加来啓三、岡部安博、椛朱梨、久保進祐、佐藤優、野口浩司、中村雅史
    • 学会等名
      第35回 日本肝胆膵外科学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ドナー・レシピエントのサイズミスマッチが膵臓移植に与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      加来啓三、岡部安博、久保進祐、佐藤優、目井孝典、野口浩司、中村雅史
    • 学会等名
      第58回 日本移植学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Size mismatch assessed by body surface area is associated with allograft thrombosis leading to graft failure in pancreas transplantation2022

    • 著者名/発表者名
      加来啓三、岡部安博、野口浩司、中村雅史
    • 学会等名
      第34回 日本肝胆膵外科学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] AIを用いた本邦膵移植データの解析 予後因子の抽出と予後予測2022

    • 著者名/発表者名
      加来啓三、岡部安博、佐藤優、目井孝典、野口浩司、大城彩香、大隈俊明、中村雅史
    • 学会等名
      第49回 日本膵・膵島移植学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 脳死膵臓移植において手術因子が治療成績に与える影響2021

    • 著者名/発表者名
      加来 啓三、岡部 安博、佐藤 優、目井 孝典、野口 浩司、中村 雅史
    • 学会等名
      第57回 日本移植学会総会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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