研究課題/領域番号 |
21K18092
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
|
研究機関 | 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター |
研究代表者 |
月精 智子 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 研究開発本部機能化学材料技術部バイオ技術グループ, 主任研究員 (80520220)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 金属有機構造体 / バイオセンサ |
研究開始時の研究の概要 |
近年の超高齢化社会に加えて、新型コロナウィルス感染症の流行による新しい生活様式に対応するため、センサ技術を用いた健康管理による疾患予防や病態予測の実現が求められている。本研究では、生体内代謝において重要なバイオマーカーである尿酸をターゲットとし、尿酸値を簡便に計測する小型なセンサを開発する。特に、高い吸着性能と分子ふるい特性を有する金属有機構造体(MOF)を酵素担持材料に利用することで、汗や涙といった微量な検体、トイレなどのフロー環境下に適したバイオセンサを提案する。
|
研究実績の概要 |
金属有機構造体(MOF)は、金属イオンと有機リガンドが配位結合を介してネットワーク構造を形成する多孔質材料であり、ガス吸着特性などで近年注目されている。また、MOFは酵素の担持材料としても注目され、酵素を内包させることにより、酵素の安定性や耐久性が向上することが報告されている。さらに、均一な細孔を有するMOFは、分子ふるいとしても有用であることが報告されている。本研究では、生体内代謝において重要なバイオマーカーである尿酸をターゲットとし、酵素担持MOFの基本特性を調査し、センサ材料としてのMOFの優位性を見出し、尿酸値を電気化学的に計測する簡便なセンサを開発することを目的としている。本研究は、①尿酸計測に適した酵素担持MOFの作製検討・基本特性の評価、②①で作製した酵素担持MOFを用いた尿酸センサの作製・評価、の2つのフェーズに分けて研究を実施する計画となっている。 2022年度は、①のうち、昨年度に基本特性を評価した代表的なMOFを用いた尿酸オキシターゼ(ウリカーゼ)担持MOFについて、吸着特性や蛍光標識した酵素を用いた構造評価など、より多面的な評価を実施した。また、蛍光標識した酵素担持MOFを共焦点レーザー顕微鏡にて観察することで、作製した酵素担持MOFの構造を推測することができた。酵素担持MOFの構造と吸着性能との関係性について、より詳細な分析が必要である。また、②については、スクリーン印刷電極を用いて過酸化水素に対する濃度依存性を確認し、電極の基本特性を評価した。この結果から、電極上にウリカーゼ担持MOFを固定化することで、尿酸が計測できる見通しが得られた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画における、①尿酸計測に適した酵素担持MOFの作製検討・基本特性の評価、②①で作製した酵素担持MOFを用いた尿酸センサの作製・評価、について、おおよそ想定どおりの結果が得られたため。
|
今後の研究の推進方策 |
①尿酸計測に適した酵素担持MOFの作製検討・基本特性の評価、については、作製したウリカーゼ担持MOFについて引続き多面的な評価を継続する。また、②①で作製した酵素担持MOFを用いた尿酸センサの作製・評価、については、電極表面への酵素担持MOFを固定化する方法の1つとして、交互浸漬法を検討する。
|