研究課題/領域番号 |
21K18094
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
田中 基嗣 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (40755740)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ドラッグラグ / 新薬 / 薬事承認 / レギュラトリーサイエンス / 条件付き早期承認 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦は世界有数の創薬国家でありながら、欧米と比較してドラッグラグが長く、医療上の重要な課題となっている。様々な取り組みによって、近年ドラッグラグは減少傾向であるが、今後さらに医薬品開発を促進して、ドラッグラグ解消を実現する必要がある。本研究では、本邦で承認された新有効成分含有医薬品について、全体及び疾患領域別の承認品目数及びドラッグラグの経時的推移を解析する。ドラッグラグが大きい疾患領域について、その原因を精査し、国内及び海外の規制当局並びにアカデミアと協力しながら、新薬開発促進及びドラッグラグ解消のための具体的な方策を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、2023年までの約20年間に日米欧で承認された新有効成分含有医薬品(New active substance:NAS)を調査して、承認日、薬効・疾患領域(効能・効果に基づく)、米国及び欧州承認の有無、臨床データパッケージ、開発戦略、開発企業国籍、オーファン指定等を網羅したデータベースを作成して、ドラッグラグに関する各種解析を行うものである。今年度は、昨年度に引き続き、2008年から2020年までに日米欧で承認されたNASのデータベースの一部を作成した。本研究を進めていく過程で、米国ではAccelerated Approval(AA)、欧州ではConditional Marketing Authorization(CMA)の早期承認制度を利用した新薬開発が増加しているのに対して、本邦の医薬品条件付き早期承認制度はほとんど機能していないことが分かった。いずれもアンメットニーズのある重篤疾患を対象とした新薬をサロゲートエンドポイントの成績に基づいて承認する制度であるが、本邦の条件付き早期承認制度では、通常承認と同レベルの製造販売後調査が求められるのみであるのに対して、米国AAでは製造販売後臨床試験が課せられてベネフィットが証明されなければ承認を取り消すことができ、欧州CMAは期限付き承認であり、製造販売後臨床試験が課せられる場合もある。必然的に本邦の薬事規制当局は、有効性及び安全性に関するエビデンスが十分でない医薬品に対して製造販売承認を与えることに対して慎重になり、結果的には欧米で早期承認制度が採用された医薬品についても本邦では通常承認されており、レギュレーションの違いによって一部のドラッグラグが生じていることが明らかとなり、当該研究成果をClin Transl Sci誌に報告した(in press)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画上は、2021年度から2023年度までデータベースの作成を行う予定であり、おおむね順調に進展していると考える。新潟大学医歯学総合病院臨床研究推進センター内にRS研究室を立ち上げ、データベースを公開するための基盤整備として研究室のホームページも作成した。
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今後の研究の推進方策 |
日米欧を含む世界主要薬事規制当局の医薬品承認品目の年次報告書を発行しているCentre for Innovation in Regulatory Science(CIRS)が毎年5月に発表している主要薬事規制当局で承認されたNAS情報について、引き続き協議する。研究協力者との連携も推進していく。
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