研究課題/領域番号 |
21K18121
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大山 修一 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (00322347)
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研究分担者 |
平野 美佐 (野元美佐) 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (40402383)
近藤 有希子 愛媛大学, 法文学部, 講師 (10847148)
桐越 仁美 国士舘大学, 文学部, 講師 (70793157)
原 将也 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (00823147)
浅田 静香 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 特任研究員 (50869724)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
23,790千円 (直接経費: 18,300千円、間接経費: 5,490千円)
2024年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | アフリカ / プラスチック / ビジネス / 循環経済 / 循環型社会 / 環境法 / 脱プラスチック政策 / リサイクル / 循環型経済 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、サハラ以南アフリカの34ヵ国で使い捨てプラスチックの使用・配付に制限が加えられ、国家政策による廃棄物の削減に向けた取り組みが進んでいる。アフリカは脱プラスチック政策の導入に積極的であり、循環型経済の構築については学ぶべき点が少なくない。現在の「大量生産-大量廃棄」という直線的経済システムには行き詰まりが顕在化し、アフリカの脱プラスチック政策や取り組みに学び、アフリカおよび日本における循環型バリューチェーンの進展をめざす。アフリカにおける脱プラスチックと廃棄物ビジネスが進展する実態を明らかにし、経済システムの中で外部不経済に分類される廃棄物問題の内在化と持続可能な社会づくりに貢献する。
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研究実績の概要 |
本年度は、アフリカ5ヵ国における脱プラスチック政策と法律の策定について、引き続き調査を進めるとともに、ザンビアとニジェール、ウガンダ、ガーナの市民生活におけるプラスチック使用について、BOPビジネスという観点より現地調査を進めた。 ニジェールでは、法令によって生分解性プラスチックの利用のみが許されているが、市民生活においてビニール袋が多く利用されている。環境省での聞き取りによって、プラスチックの使用、販売などを禁止できない事情を明らかにした。カメルーンでも法律でビニール袋の使用が制限されているにもかかわらず、使用されている。ザンビアにおいては行政主導ではなく、民間企業や個人事業主が使用済みプラスチックのリサイクルに取り組んでいた。地方都市ソルウェジでは、スクラップ業者が金属類とともにPPやPEを回収していた。日本でリサイクル率の高いPETについては、運搬に費用がかかり利益が上がらないため回収しておらず、ザンビアの産業構造とも関連があることがわかった。大山、桐越、原が日本アフリカ学会第60回学術大会において、アフリカ全般、およびニジェール、ガーナ、ザンビアにおける使い捨てプラスチックの使用や販売などに対する規制とその実情について、発表をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アフリカ54ヵ国の環境法とその関連する法律を精査したうえで、研究対象国を調べ、脱プラスチック政策を検討している。また、ウガンダ、ニジェール、ザンビア、ガーナ3ヵ国においてプラスチック使用の現状と脱プラスチックにむけた取り組み、BOPビジネスによるプラスチック使用の実態を調査することができた。2023年度の日本アフリカ学会学術大会で、大山、桐越、原がニジェール、ガーナ、ザンビアにおけるプラスチックの規制、ごみ処理やリサイクルの課題について発表をおこなった。
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今後の研究の推進方策 |
プラスチック問題の所在と脱プラスチック政策の進行、市民社会における取り組みの進展に関する現地調査を進め、法律が施行された国でも、取り組みが進展している国(ルワンダ)と進展していない国(ジブチやザンビア、ニジェール、ガーナ、カメルーン)、その中間の国(ウガンダ)の取り組みを調査したうえで、規制がゆるやかになり、使い捨てプラスチックの使用制限がゆるやかになってしまう要因を明らかにする。また、環境・資源問題におけるごみのバロリゼーション(有効活用)を検討し、今後のプラスチックのリサイクルや物質循環のあり方を検討する。
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