研究課題/領域番号 |
21K18123
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
伊藤 敦規 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 准教授 (50610317)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2026年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2025年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | ソースコミュニティ / 著作権 / アイヌアートショー / 公衆送信 / 博物館資料 / もの語り映像 / 協働 / 国立民族学博物館 / 民族誌資料 / 人類学博物館 / ドキュメンテーション / Indigenization / Museum / Source Community / Digital Archive / Collaboration |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、民族誌資料の公表分野での「Indigenization(民族誌資料が由来する文化的脈絡に配慮する試み)」を展開する。具体的には、日本国著作権法が定める権利者捜索のための「相当な努力」の枠組を参考にしながら、民族誌資料公表モデルを新たに構築する。ソースコミュニティの人々にとって優しい、法的・文化的に配慮した公表モデルを学界や博物館団体などに提唱することで、これまでの民族誌資料の取扱いをめぐる人類学と博物館の体系や方向を大きく変革・転換させる。
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研究実績の概要 |
研究計画に則り、以下を行った。 ソースコミュニティの人々による「もの語り」映像記録の和訳と映像編集(字幕挿入と関連画像挿入)を済ませた28本を、国立民族学博物館2階本館展示場のデータステーションで一般公開した(館内イントラネット配信)。 査読付き共編著を一冊刊行した。『Collections Review on 26 Items Labeled “Hopi” in the National Museum of Natural History (Smithsonian Institution): Reconnecting Source Communities with Museum Collections 10』(国立民族学博物館フォーラム型人類文化アーカイブズ資料集、創刊号)。 世界的トップジャーナルの一つ『Current Anthropology』に本研究の概要とそこから導き出されうる人類学博物館の課題を掲載した。 北海道白老のウポポイ(民族共生象徴空間)で初開催したアイヌアートショーの立ち上げに協力した。アイヌ民族文化財団職員に助言を行いながら、ソースコミュニティへの配慮/との交流を最重要視した企画として立案し、開幕講演会の講師を務めた。 1970年代に民博がハワイで購入した人骨製資料は、アメリカ先住民宗教自由法に抵触する可能性が否めない。そのため当該資料の展示(民博企画展)に際して、展示実行委員長、事務職員、役職者に取扱いの注意喚起した。具体的には、ソースコミュニティの人々との意見交換、および、日本国著作権法に抵触する資料複製(画像)の公衆送信の取りやめを提案した。この提案はソースコミュニティとの対話やコンプライアンスを重視する民博のミッションにも合致すると思われたものの、結果として、会期中その人骨は展示され続け、展示会場VR画像は会期終了後も公衆送信され続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により、現地の協力者の中に感染したり、死去した者がいた。 国内・国外出張がままならないものの、これまでに収録したソースコミュニティの人々による「もの語り」映像記録の整理を集中的に行うことができた。一般公開には至っていないものの、2016年収録の松永はきもの資料館での資料熟覧映像約180点の映像編集、2017年収録のスミソニアン協会国立アメリカンインディアン博物館収蔵資料の熟覧映像約150本の和訳と英文校閲を済ませた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に則り、三年度目も、これまでに収録したソースコミュニティの人々による「もの語り」映像記録の整理と編集に注力する。 また、2022年度より北海道白老のウポポイ(民族共生象徴空間)より、ソースコミュニティの人々に配慮した催事開催や活動のアーカイブ化に関する依頼を受けたため、本研究課題と重なる部分については積極的に係わることとする。さらに、2022年6月に日本文化人類学会の倫理委員に指名された。二年間の職務である。すでに2022年12月には研究者とソースコミュニティの人々との歴史的関係に注目したシンポジウムを主催したこともあり、アイヌ民族と文化人類学との関わり合いの歴史を研究するようになった。この新たな研究についても、ソースコミュニティへの優しさに則った学術資料公表モデル構築という視点からのアプローチが可能なため、本研究課題と重なる部分については積極的に係わっていくこととする。
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