研究課題/領域番号 |
21K18145
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小野 輝男 京都大学, 化学研究所, 教授 (90296749)
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研究分担者 |
柳瀬 陽一 京都大学, 理学研究科, 教授 (70332575)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2022年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 超伝導 / 磁性 / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは、ニオブ層、バナジウム層、タンタル層から構成される非対称構造を有した人工格子において、測定電流と垂直に外部磁場を印加すると、超伝導の臨界電流の大きさが電流方向に依存することを見出した。このことは、順方向の臨界電流と逆方向の臨界電流の間の電流値では、順方向では超伝導状態でゼロ抵抗であるが、逆方向では常伝導状態で抵抗が有限となることを示し、超伝導ダイオード効果と呼ぶべき現象が観測されたことを意味する。本研究の目的は、超伝導ダイオード効果の機構を解明し、不揮発性超伝導ダイオード素子を創出することである。
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研究成果の概要 |
研究代表者らが見出した「超伝導ダイオード効果(Nature 584, 373 (2020))」の機構を解明し、不揮発性超伝導ダイオード素子を創出することに成功した。研究代表者らの見出した超伝導ダイオード効果は、時間反転対称性を破るために外部磁場が必要であったが、超伝導人工格子に磁性体を導入し、磁性体の磁化によって時間反転対称性を破ることで、無磁場下での超伝導ダイオード効果を実現することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究代表者らの見出した超伝導ダイオード効果は、時間反転対称性を破るための外部磁場を必要であったが、超伝導人工格子に磁性体を導入し、磁性体の磁化によって時間反転対称性を破ることで、無磁場下での超伝導ダイオード効果を実現することに成功した。これにより、無磁場下で超伝導ダイオード効果を利用できるばかりでなく、磁性体の磁化の向きによる超伝導ダイオードの極性制御が可能となった。磁性体の磁化の向きによる超伝導ダイオードの極性制御が可能ということは、磁性体の磁化を利用した不揮発メモリ機能を超伝導ダイオードに付加できることを意味し、不揮発性超伝導論理回路が可能となる。
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