研究課題/領域番号 |
21K18151
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
藤井 俊博 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (50706877)
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研究分担者 |
鶴 剛 京都大学, 理学研究科, 教授 (10243007)
身内 賢太朗 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (80362440)
小貫 良行 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教 (40415120)
石川 明正 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (40452833)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,480千円 (直接経費: 19,600千円、間接経費: 5,880千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2021年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
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キーワード | アクシオン / ダークマター / 低バックグラウンド / 新物理 / 強いCP問題 / 暗黒物質 |
研究開始時の研究の概要 |
アクシオンは、素粒子標準理論の量子色力学の「強いCP問題」の解決策として提唱された未発見の素粒子であり、暗黒物質の可能性も考えられている。しかし、これまでの様々な探索にも関わらずアクシオンの発見には至っていない。この状況下、2020年6月に暗黒物質直接探査実験XENON1Tから、太陽で生成されたアクシオン起源による信号と解釈可能な結果が初めて報告された。そのため本研究では、XENON1T実験から示唆された相互作用の一つであるアクシオンと原子核の相互作用に特化して検証するため、新型ピクセル型シリコン検出器と鉄同位体を使った極低バックグラウンド環境での太陽アクシオン探査を実施する。
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研究実績の概要 |
アクシオンは、素粒子標準理論の量子色力学の「強いCP問題」(= 強い相互作用において、電荷パリティの反転で対称性の破れが検出されていないこと)の解決策として提唱された未発見の素粒子である。またアクシオンは、銀河の回転速度や宇宙マイクロ波背景放射の観測から存在が確実視されている暗黒物質として十分な量が宇宙初期に生成された可能性も考えられており、アクシオンの発見は素粒子物理学のみならず、宇宙物理学や天文学においても今後の学問の方向性を大きく転換・変革するブレイクスルーとなると考えられている。 本研究では、XENON1T実験から示唆された相互作用の一つであるアクシオンと原子核の相互作用に特化して検証するため、新型ピクセル型シリコン検出器と鉄同位体(原子番号57)を使った極低バックグラウンド環境での太陽アクシオン探査を実施する。 本年度は、リジッドフレキシブル基板による新型ピクセル型X線検出器による長期動作試験、三角シンチレーターを使った宇宙線VETO検出器を製作し、動作試験を実施した。また、環境モニター用の装置を実装したのち、ネットワーク経由でのモニターシステムを使いながら長期試験を実施した。それぞれの要素ごとの開発・動作試験が着実に進めながら、国際学会での5件、国内の研究会で2件の成果発表を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的である太陽アクシオン探査へ向けて、恒温槽および鉛遮蔽部の準備、新型シリコン型X線検出器の開発、中心部部の設計・製作、三角シンチレー ターによるアクティブシールド、遠隔操作による自動観測へ向けたというように、各構成要素の準備が着々と進んでおり、2024年度の長期サイエンス観測へ向けた準備がおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでと同様に今後も引き続き月例会議を実施し、2ヶ月に一度は対面による状況共有を進め、円滑な連携による迅速な研究遂行に務めていく。 加えて、本研究を国内の物理学会や国際会議での発表を精力的に実施し、専門家たちの意見を幅広く収集していく。
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