研究課題/領域番号 |
21K18161
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
嘉副 裕 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (20600919)
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研究分担者 |
吉崎 歩 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (40530415)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | ナノ流体工学 / ナノ流路 / 液滴 / 1分子 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノ空間の流体工学の進展により、化学分析の可算個分子レベルへの超微量化が実現しつつある。しかし、試料分子数が限定されても、空間の微小化の単なる延長では流体工学の極限である分子1個の輸送・化学処理とこれにより初めて実現する1分子分析には到達できない。本研究では、独自技術によりナノ流路で極小液滴を生成して、統計力学の原理により液滴中に試料分子1個を閉じ込め個数の単位で配列・輸送、更に液滴の合一により1分子を衝突・反応させる方法論とこれを用いた分析法を創成し、病変部の表皮角化細胞、涙液、汗などに含まれるサイトカイン分析に応用することを目的とする。
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研究実績の概要 |
ナノ空間の流体工学の進展により、化学分析の可算個分子レベルへの超微量化が実現しつつある。しかし、試料分子数が限定されても、空間の微小化の単なる延長では流体工学の極限である分子1個の輸送・化学処理とこれにより初めて実現する1分子分析には到達できない。本研究では、独自技術によりナノ流路で体積aL-fLの液滴を生成して、統計力学の原理により液滴中に試料分子1個を閉じ込め個数の単位で配列・輸送、更に液滴の合一により1分子を衝突・反応させる方法論とこれを用いた分析法を創成し、病変部の表皮角化細胞、涙液、汗などに含まれるサイトカイン分析に応用することを目的とする。研究項目A)液滴連続生成・輸送・合一のためのナノ流体デバイスの開発、研究項目B)液滴を利用した1分子配列、輸送、反応操作の検証、研究項目C)1分子分析の検証に取り組む。 2023年度は、研究項目Bに取り組んだ。2022年度に開発したナノ流路におけるaL液滴生成・1分子輸送法、及び油水界面ラプラス圧を活用した液滴への流体導入法を用いて1分子化学反応の検証に取り組んだ。連続生成した液滴に蛍光溶液を導入することで、液滴内での混合操作の検証に成功した。一方、液滴に導入される溶液の体積に大きなばらつきがあることが判った。そこで、1分子化学反応のための試薬導入の流体操作について再検討を進めた。次年度は、この再検討にもとづき1分子化学反応の検証に取り組み、1分子分析に向けた検討を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度はaL液滴を用いた1分子化学反応を検証する計画であったが、2022年度に開発した液滴への流体導入操作における導入体積に大きなばらつきがあることが判り、液滴への試薬導入・混合には成功したものの、1分子化学反応には至らなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に開発した流体導入操作について、方法論を見直し、1分子化学反応に再度取り組む。また、1分子分析に向けた蛍光1分子検出システムの感度向上等の基礎検討にも取り組む。
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