研究課題/領域番号 |
21K18170
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡部 平司 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (90379115)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2023年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2022年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 炭化珪素 / パワーデバイス / MOS構造 / 界面科学 / 炭化珪素半導体 |
研究開始時の研究の概要 |
炭化珪素半導体パワーデバイスの研究開発が進み、SiC MOSFETの実用化に至っているが、その電界効果移動度はバルク移動度の数%に留まり、材料本来の特性を引き出しているとは言い難い。これは、SiO2/SiC界面に蓄積された電子の大部分が捕獲されFETのオン電流に寄与しない事に加え、従来のMOS界面科学では説明できない電子散乱が生じる為である。本研究では、SiO2/SiC界面に発現する特異な電子捕獲や散乱現象の解明に向け、SiC基板の酸化を伴わないMOS構造形成技術の構築や、微細デバイスの試作とその特性評価を通じて、SiC MOS界面の設計指針を獲得する。
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研究成果の概要 |
炭化珪素は次世代のパワーデバイス用半導体として期待され、MOS型電界効果トランジスタの社会実装が進んでいる。しかし、MOS構造を構成する絶縁膜とSiCとの界面には多量の欠陥が存在し、デバイス性能や信頼性劣化の原因となっている。しかし、界面欠陥の全貌は未だに明らかになっておらず、絶縁膜界面の高品質化が求められている。本研究では、SiC MOS界面の特異性の理解と、界面設計指針の再構築を最終的な目標として、SiC表面の酸化を伴わないMOS構造作製技術の開拓や、界面物性解析に特化したMOSデバイスの試作と特性解析に取り組んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱酸化SiC MOS界面の欠陥については、酸化の進行に伴う炭素不純物の偏析に加えて、SiC半導体のエネルギーバンド構造の特異性を指摘する理論計算結果が報告されている。しかし、これらの影響を系統的に解き明かした報告は皆無であり、本研究は新規ヘテロ界面科学の再構築を目指す取り組みとして学術的にも大きな意義を有している。また、SiCパワーデバイスの高性能化と信頼性向上は、電気エネルギーの高効率利活用に貢献し、省エネ社会実現に向けた最重要課題として位置付けられる。
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