研究課題/領域番号 |
21K18173
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
白井 和貴 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (20610968)
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研究分担者 |
長沼 一洋 日本大学, 理工学部, 教授 (50755048)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
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キーワード | 積層造形 / 三次元プリンティング / 3DP / 繊維強化コンクリート / 繊維補強コンクリート |
研究開始時の研究の概要 |
近年、コンクリート材料の三次元プリンティング(3DP)技術が急速に進展している。本研究の目的は、3DPで積層造形された繊維強化コンクリート構造を対象とし、破壊に至るまでの非線形挙動を解明するとともに、保有性能を精度よく評価できる解析手法を構築することである。実施項目は、(1)3DP装置製作と材料試験による材料特性データ取得、(2)載荷実験による部材の非線形力学挙動把握、(3)有限要素法解析による非線形性能の予測手法構築、である。
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研究実績の概要 |
2022年度には、三次元プリンティング(3DP)装置を構成するロボットアーム設備の導入を実施するとともに、3DPモルタルの試験練りおよびポンプ圧送試験を実施した。また、幾何学的非線形を考慮した有限要素法(FEM)解析により、未硬化の3DPモルタルが変形して倒壊に至る挙動の再現を試みた。FEM解析では、自重による鉛直荷重に加えて、3DP施工中または施工直後に中小地震・風荷重・環境振動などを受ける状況を想定し、水平荷重も作用させた。想定する解析対象は、3DPモルタルの概ね直方体の要素構造体とした。解析モデルの平面寸法は、幅(X方向)50 mm、奥行き(Z方向)200 mmとした。高さ(Y方向)寸法は、100、200、300、400、800 mmの5種類とした。X-Y断面を2次元平面応力要素を用いてモデル化し、要素サイズは5 mm角とした。材料は弾性を仮定した。材料のヤング係数は、3種類の経過時間(0、15、90 min)を想定してそれぞれ設定した。3DP施工時のばらつきの発生を考慮し、初期不整有りと無しの2種類を設定した。載荷は、静的荷重制御とし、まずモデル全体(各要素)に自重相当の荷重を鉛直(Y方向)下向きに載荷し、その後に水平力(X方向)をモデル全体(各要素)に一様分布荷重として載荷した。水平力の大きさは、自重の大きさに対してある比率を乗じた値として設定した。FEM解析の結果、モデルの高さ、経過時間、初期不整の有無が変形および倒壊挙動に大きな影響を及ぼすことが分かった。さらに、繊維補強代替モルタル材料でつくられた構造体の力学性能に関する研究発表(国内学会発表および査読付き英文ジャーナル論文刊行)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
世界的な半導体不足の影響を受けてモルタル圧送ポンプの導入に大幅な遅れが生じていることから実験の進捗については当初計画と比べて遅れが生じているものの、有限要素法(FEM)解析などは順調に進捗しており、全体としては概ね順調に推移していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進に関しては、まず、2022年度に引き続き、コンクリート三次元プリンティング(3DP)装置の製作を行う予定である。また、当初計画の通り、3DPされたモルタル供試体の材料試験、3DPで製作された部材試験体の載荷実験、非線形有限要素法(FEM)解析などを行う計画である。
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