研究課題/領域番号 |
21K18183
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松垣 あいら 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10592529)
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研究分担者 |
石本 卓也 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (50508835)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2024年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2023年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 4Dプリンティング / 人工臓器 / 骨配向性 / 骨機能制御 / 外場制御 / 4Dプリンティング |
研究開始時の研究の概要 |
材料工学的立場から疾患骨の回復や骨再生を鑑みた場合、生体材料による骨代替がこれまでなされ、超高齢社会におけるQOL(生活の質)の向上に大きく貢献した。さらに現状、骨密度医療がなされている中で、骨基質配向性が本来最も考慮すべき因子であることが解明されたことで、骨密度研究から骨基質配向化研究へ、骨研究・骨医療は変革期に来ている。骨が臓器として機能し、真の代替材料として振舞うためには、骨類似3D細胞造形体の「機能化」と骨配向化の本質的なメカニズム解明が鍵を握る。本研究では骨制御の「3D」から「4D」への変革に挑戦し、配向化に基づく骨機能の本質理解を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では骨制御の「3D」から「4D」への変革に挑戦し、配向化に基づく骨機能の本質理解を目指す。これまでにバイオプリンタによる配向化細胞積層化、さらにそれら細胞間での機能的な相互作用を実現してきた。骨複雑系を構成する異種細胞を単一細胞レベルで描画、細胞間での相互作用を制御しつつ、外的因子負荷をコントロールした動的配向化組織構築を目指して研究を遂行している。4D実現化のための解決策として、(A)バイオプリンタを用いた細胞積層化制御および(B)外的刺激への組織応答のin situ観察、機能性変化の定量的理解を両輪として研究を進めている。昨年度までに、バイオプリンティングによる配向化骨模倣組織の構築、さらに構築した立体臓器内部での細胞・分子相互作用の実現に成功している。 今年度は、外的刺激への組織応答のin situ観察、機能性変化の定量的理解のために、生理学的運動を模倣したオステオサイトへのせん断刺激負荷、細菌・ウィルス感染および環境ストレスの人為的制御法を確立した。特に、細胞間での動的相互作用に関して、免疫応答や炎症性サイトカインに関するシグナル分子の授受解明についてタイムラプスイメージングにより取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
これまでに、バイオプリンティングによる配向化骨模倣組織の構築、さらに構築した立体臓器内部での細胞・分子相互作用の実現に成功し、外的刺激への組織応答のin situ観察、機能性変化の定量的理解のために、生理学的運動を模倣したオステオサイトへのせん断刺激負荷、細菌・ウィルス感染および環境ストレスの人為的制御法を確立している。当初想定を上回る進捗により、免疫応答や炎症性サイトカインに関わる細胞間での分子授受の存在がタイムラプスイメージングにより明確になったことから、当初計画以上に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの成果により、疾患状態の模倣や外場制御に応答した4D骨臓器の機能性変化を明確にしてきた。さらにその制御因子として複数の生物学的因子の同定にも成功している。今後はこれら配向化制御因子の発現を人為的に制御することで立体臓器の自発的形成機構を明らかにするとともに、骨代替材料として生体内で機能発現させるための方法論の確立を推進する。
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